30 ページ47
.
特服のまま海にいるのは浮くし
仕方なく着たのだ
仕方なく
上半身はまだ怪我の痕が痛々しいから水着の上にTシャツを着ている
脚もまだ残ってるけど上半身よりマシ
ドラケンと三ツ谷は先に海を楽しんで
羽宮とパーはパラソルの日陰にいる
泳げることには泳げるけど
こんな恥ずかしい格好で皆の前に行けるわけがなかった
「おかーさぁん、おとーさぁん...」
どこかで小さい女の子が泣く声がした
駆け寄ると迷子なのかその場で泣きじゃくっていた
周りのヤツらの目は節穴かよ...
『迷子?大丈夫?』
「おかぁさんと、おとうさんとはぐれちゃった…」
この人混みだし、有り得る…
その子に目を合わせるようにしゃがむ
どうしたら泣き止むか分からなかった
でもまだヒクヒクと嗚咽しながら泣いてるけどさっきよりかは落ち着いているようだ
『私は、椿A。君の名前は?』
早希「風見早希っていうの...」
『早希、だね。お母さんとお父さんの特徴を教えて貰える?一緒に探そう』
早希「ほんと!ありがとう、お姉さん!」
早希は花のように笑った
その笑顔に嫌な意味でうっとなる
この子はいつか宝石のように輝く笑顔で周りに花を咲かせるような子になるだろうと意味のわからない感情に駆られる
そういうのは縁遠いな
私には早希が持っているようなものは持っていない
嫌な意味はこのせいだ
早希の手を繋いで探し回った
15分くらいしたら両親が見つかり
早希は両親の元に帰った
さすがに戻らなきゃ、やばいかなと思い
皆がいる方に帰ると
既に場地が帰っていた
結構長く離れてたんだなぁ
ドラケン「今までどこにいたんだよ」
『迷子の子を親まで探して連れてってた』
マイキー「へー、その子無事?」
『大丈夫だよ』
羽宮「つーかお前...」
三ツ谷「バカそれ以上言うな」
パー「お前意外と」
三ツ谷「やめろ」
何となく察した
それと同時に恥ずかしさが増す
『.........見ないでよ』
マイキー「お前も女子っぽいとこあんだなー!かわいー!」
『あーもー!!耐えれない着替えてくる!!』
我慢の限界だ
恥ずかしすぎてそこら辺の人達に殴りかかりそう
ドラケン「まー待てよ。昼だし飯食おうぜ?あちーし、特服なんか着ると熱射病になんだろ」
一理あるし
確かにお腹は減った
それもすごく
更衣室はここから遠いし
『.........分かったよ』
私は諦めることを覚え
もう二度と水着なんか着ないと決心した
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
珠羅(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます!制作中ですので、しばしお待ちください! (2022年5月16日 20時) (レス) id: 4ac8565e93 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年5月15日 20時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:珠羅 | 作成日時:2022年5月12日 0時