夢くらい見させてください【ヒロアカ×東京喰種:re】 (ページ23)

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終わってみればまたいつもの金木だった

あれはなんだったんだろうか

あの恐ろしく冷たい表情は

芦戸「核返してきなよ！ハリボテだけど！」

『そうだね…着替えたら職員室に行くよ』

金木は何やら友達と話していた

手には何か黒光りをしている物があった

轟「…金木何持ってんだ？」

気になり声をかけた

『…あぁ、さっき小さくした核なんだけど…元の大きさに戻して返すのを忘れて』

轟「そうか…すげぇな…」

改めてこいつの個性は凄いものだと感じた

轟「ちゃんと返しておけよ…じゃ」

『あ、うん』

俺は核を金木に返し更衣室に戻った

…さっきは素っ気なかったよな

第一印象が悪いように思わせてしまったか？

ふつふつと込み上げる不安の中廊下を歩いた

更衣室で、紫の頭の奴と金髪の黒のメッシュの奴が盗み聞きをしていて

金木のどうとか言っていた

何故か嫌だなと思った

教室でいつもみたいに友達と話している

俺も、もっと話してぇな

あんなふうに仲良く…

轟「…って何考えてんだ(ボソッ」

金木を見ていると異様に鼓動が早くなった

この時ようやく俺は金木に好意を持っているんだと分かった

…今思うと金木はこの数日で俺をこんなふうにさせた

もっと金木と話してえ

もっと金木のことが知りてぇ

もっと金木の色んな顔が見てぇ

…誰にも渡したくねぇ

…金木に触れてぇ

金木が俺の事どう思ってるか知りてぇけど

話せる自信がねぇし…

ただただ、読書してる姿と楽しそうに話している姿を見てるだけしか出来ねぇ

今日も話せず学校は終わった

轟「…はぁ」

翌日学級委員を決めることになった

金木は飯田に投票した

飯田は嬉しそうに金木と握手をしブンブン振っていた

飯田、そこを変われ

羨ましすぎる

好きな奴の手を他人に触れられ──────

って…恋人同士でもないのになんでそんなことを…

俺はなるべく見ないよう下を向いた

金木の席は右隣の前側

だから授業中なんかはついつい見てしまう

金木の字はどんな感じなんだろうか

落ち着きのある奴だから綺麗な字を書くのだろうか

今日はどんな本を読んだのだろうか

いっそ図書館に誘うか？

など色々考えてしまい板書を書き逃すことはしばしばあった

だか、授業を聞いてればある程度分かる

昼休みになると

楽しそうに友達と食堂に向かった

…俺もあんなふうになどと妄想に浸った

我ながら気持ちが悪いと思った

けれど、悪い気分ではなかった

寧ろどんどん好きになっていく一方だ