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三百七十四話 ページ2

『えっと、だからお登勢さんの病室を教えてもらいたいんですけど』


「はて、うちにお登勢なんて病人いないがね。
別の病院なんじゃないかい?それか名前を間違ってるとか…」


『そんなはずは!』



お登勢さんの容態が心配で、やる気十分で病院に向かった私。
だが、入院患者表をパラパラとめくるカウンター当番と押し問答を繰り広げていた。



「そもそもそれどこから聞いたの、嘘ついてたかもしれないよ」


『嘘なんかつきませんよあの人は!
私の知り合いを悪く言うのやめてください‼』



「ふーん、じゃ結構深い仲だったんだ」


『…今日会ったばかりですけど!』


「それは他人だね」



このままだとらちが明かないが、カウンター当番の言い分も否定できない。
なによりお登勢さんが大江戸病院に入院している決定的証拠がないのが難点だ。



『でもお登勢って…』



もうため息を吐かれ飽きられている。
だけどここ以外に大きい病院なんて近くにないから実質最初で最後の望み。

とうとうすね始めた頃、見かねたカウンター当番から助言を貰った。



「あの、その人スナックとかキャバとかやってたりする?」


『ハイ、スナックやってて』



職業をピンポイントで当ててきたことから、何か手がかりがあるのかと期待する。
希望が見えてくると、意表をつくカウンター当番の意見が出てきた。



「お登勢が源氏名って可能性はない?」


『………きっとそれです‼』



なるほど、源氏名って発想はなかったわ。
これでようやくお登勢さんに会える!

そう考えたのもつかの間、また次の問題が立ちふさがった。



「それじゃあ本名教えてくれれば」


『…………』



知らねェ。


どうしよ、お登勢さんが源氏名だったことを今初めて知ったから本名なんて聞いたことも考えたこともないな。え、なんだろう。

あの顔から…宇宙戦艦ゼンマイとかかな。



「えーっと?じゃあその人の知り合いで特徴的な人はいる?
機械、とかタコみたいな天人とか見てわかるようなやつで」


『あ!猫耳が生えた団智妻みたいな天人がいます‼』


「あ、そっち系か。
その人いたような気がしますし、一回探してみますね」


『ありがとうございます!』



キャサリンの見た目はそんじょそこらにいるものじゃないので、お登勢さんと断定してもいいだろう。

一息ついていると当番の顔が迷惑客に対するものから一転して、神妙な面持ちでこう告げた。



「君、こんなとこで喋ってる場合じゃないよ」

三百七十五話→←三百七十三話 かぶき町四天王篇



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たこわさび - Aさん» 落ちの話ですが今の時点では決まっておりません。そもそも落とすかどうかも決めかねている状態です。まだ未確定の部分もあるのでご期待に添えるかどうかも分かりません。ですが、一つの意見としてしっかり受け取らせていただきます。コメントありがとうございました。 (6月22日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
A - 沖田落ちだと嬉しいです! (6月22日 12時) (レス) @page37 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
A - 落ちは決まってますか? (6月22日 12時) (レス) @page37 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年5月11日 23時

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