二百三十話 ページ4
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『…飲みすぎた』
もう夜も更け、おそらく深夜という時間帯だろう。
ほとんどの隊士は眠りこけ屯所はシンと静まりかえっている。
そんな中私は酔いをさまそうと夜風にあたっている。
そういえば今日のアレ鴨くんを祝うやつだけど最初の数分しかしゃべれなかったな。
他の奴らは普通に酒飲むの楽しんでるし。
ただぼーっと縁側に座っていたら、後ろから話しかけられた。
「そんなところにいると風邪をひいてしまうぞ。
A君」
そこには隊服から普段着に着替えた鴨くんがいた。
反射的に声を出す。
『鴨くん』
もう全員寝たのかと思ってた。話足りないと感じていたのでいい機会だ。
鴨くんが私のとなりに腰を下ろす。
『どうしてこんな時間に?何か私に用でも?』
伊東「それを言うなら君もだろう、なぜこんな時間まで?」
『うーん、特に意味はないかな』
静かな空間に庭の木の葉がざわめく音をバックにゆっくりと話す。
かなり酒が入っているからか相手が鴨くんだからかリラックスして会話を続けてく。
伊東「僕もそれと同じさ、大した意味はない。
強いて言うなら誰にも話を聞かれずに済むからかな」
『他の人には聞かれたら嫌な奴?』
伊東「ふっ、そうじゃなかったらこのタイミングを狙わないだろう」
どんどん私に声をかけた真偽が分かってくる。
人に聞かれたくないなら、中の悪い土方辺りの話かな。
だけど話は私の予想とは違う方向に行った。
伊東「君はもし、仲間を斬らなければいけない状況になったらどうする」
仲間…隊士だとすれば斬ることになるのは謀反とか切腹の時の介錯とか?
その時私はどうするか。無慈悲に殺す?それともひっそりと生かす?
どれもしっくりこないな。
『ソイツと向き合う、とか?
なんでそういう状況になったのかを一から理解してじっくり言い分を聞く。
それを聞いて最終的にどうするか決める的な?
ゴメン、全然思い付かない』
こういうのはその時にならないと分からないもんなんだよな。
今考えた通りにするかそれ以外の別の方法にするかはその時の私に聞かないと分からんし。
伊東「いや、君がそう思うのであれば大丈夫だ」
鴨くんが頭を抱えている私を見て優しく微笑む。
朧気だが、そう言った鴨くんの目は何か決断したように見えた。
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たこわさび - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは、一気見していただきありがとうございます。本作品は恋愛要素がゼロに等しいですがそこまで読める何かがあったと思うと嬉しいです。新ジャンル開拓のお手伝いになれればと思います。 (2023年3月2日 23時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんにちは^_^一気見させて頂いてます。正直、恋愛ものが好きだったのでここまで読めると思いませんでした。楽しいです。 (2023年3月2日 18時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - ふじゆずさん» 銀魂を読み返してくれるきっかけになったのなら嬉しいです!こちらこそありがとうございます‼無理しない範囲で更新続けていきますね! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ふじゆず(プロフ) - すっごい面白いです!!(語彙力)この作品見て久々に銀魂読もうと思いました!!ありがとうございます!!(?)無理しないでください!!ありがとうございました!!(?) (2022年11月5日 21時) (レス) id: af6d5fb7bc (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - さちさん» コメントありがとうございます!更新を楽しみにしていただけて光栄です。これからもがんばります。 (2022年11月4日 22時) (レス) @page10 id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たこわさび | 作成日時:2022年10月25日 18時