【銀魂】ヒロインが可愛すぎる ６

二百五十五話 ページ29

近藤「そ…そんな状態で…トシがお前らに何を頼んだんだ」


銀時「真選組護ってくれってよ」



近藤さんがおずおずと聞き、銀時がそれに答えた。
それは私も初耳。あの土方が？

詩織ちゃんと近藤さんと同じように目を見開かせる。



銀時「面倒だからてめーでやれってここまでつれてきた次第さ。
俺達の仕事はここまでだ、ギャラはてめーらに振り込んでもらうぜ」



面倒って、ここまで連れてくるのも十分めんどくさいだろのに。素直じゃない。
それにしても土方が、か。ホントにアイツはここと近藤さんが好きなんだな。

…その中に私は入ってんのかな。

つまらない思考を中断して今の会話に耳を向ける。



近藤「…………振り込むさ、俺の貯金全部」


「「「「？」」」」



全額？そんなことしたら一文無しに…。
今後の生活が危ぶまれることになるけど。



近藤「だが万事屋…俺もお前達に依頼がある。
これも遺言と思ってくれていい」



遺言という物騒な二文字により辺りに緊張が走った。
紡がれる言葉を聞き逃さないように耳をそばだてる。



近藤「トシ連れてこのまま逃げてくれ。


こんな事になったのは俺の責任だ、戦いを拒む今のトシを巻き込みたくねェ。
俺ァ伊東に注意しろというトシの助言を拒んだ。

さらには些細な失態を犯したトシを、Aちゃんのアドバイスを無視して伊東の言うがまま処断した。

トシがそんなことになってるのもしらずに、プライドの高ェコイツが…お前らに頭下げて真選組託したのもしらずに…」



まったく、自己犠牲の強いお人だ。
この事態になったのは一重に近藤さんのせいとは言えないのに。

明らかにおかしい土方と一緒にジャンプの感想を語ったり、詩織ちゃんにコスプレさせていたりとすっかり馴染んでいた私にも原因はある。



近藤「すまなかったァトシィ、すまなかったァみんな…俺ァ…俺ァ…大馬鹿野郎だ。


全車両に告げてくれ、今すぐ戦線を離脱しろと。
近藤勲は戦死した。これ以上仲間同士で殺り合うのはたくさんだ」



弱々しく近藤さんがそう言った。


やっぱりこの人は自分なんかよりも他の人で、今も裏切った隊士をまだ仲間として数えている。筋金入りのお人好しだ。

だけれど近藤さんは、数年も一緒にいるはずの私達の性格をまだ理解していないようだ。
私はそんな近藤さんを見て車の屋根に登り、車両に飛び乗った。

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