わらわないで ページ4
僕は短期間で頑張った。
元々女顔だったから苦労はしなかった。
唯一の問題は.........
『おかあさん、でもさ、こえ、こえが......だいじょうぶかな?』
「大丈夫よ。あなたは両声類だもの。」
『りょうせいるい?ぼく、ふつうのこえ、ちがうの?』
「両声類っていうのは、男と女のどちらの声でもあるって事なのよ。」
『そうなんだ、じゃあ、だいじょうぶだね!』
「ええ。」
僕は覚悟していた。
王様になってみせるって。
だがそれと同時に不安もあった。
もしなれなかったらどうしよう?
怒られるかな。
怖かった、けど、がんばる。
そう決めたから。
そう決めなきゃいけなかったから。
とりあえずもう、寝よう。
ついに明日、行くんだ。
台詞も覚えたし、礼儀ってのも覚えた。
さてと、電気消そう。
コンコンコン
『はーい?』
悠春菜「あ、ごめん、おねえちゃん、ねる?」
『いや......だいじょうぶ。どうしたの?さんさいはもうねるじかんだよ』
悠春菜「ぁ...えと、これ......あげる...おまもり」
悠春菜が手に持っていたのは、小さな子供用のキラキラしている緑の宝石が付いたネックレスだった。
『おまもり?なんで?』
悠春菜「だって.........おねえちゃん、おうさまになりにいくんでしょ?
なれるように、いのるの!」
ああ、なんて優しいのだろうか。
ありがとうと何度も言い、一緒の布団で寝た。
『......ん』
寝れない。緊張してるのかな。
スッキリしないので水を飲みに冷蔵庫へ向かった。
が、
途中で足が止まった。
『...?』
お母さんたちの声がする
何か話してるのかな?
聞いてみよう。
「ほんとに、あの子はなぜああ馬鹿なのかしら?ww」
「お前が泣いたらすぐ従ったのは面白かったなあwww」
ぇあ、どういうこと?
嘘...なの?
「まあ、これであの悠春月は居なくなるわね。www」
いなくなるってなに...?
「あいつは如月家に必要ないからな。」
ひつよう??
ないの?いらないの?
なんでわらうの?
わらわないで
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆはる。 | 作成日時:2020年12月6日 22時