【ハイキュー】女の子達の争いを遠くから眺めるのが趣味です

20話 ページ22

私に足ドンをしているのも、今叫んだリーダー格であろう女の子。




なんで私怒られないといけないの！？！？こわ！！




『すみません、でも本当になんの事だか…？』



愛想笑いを崩さず内心冷や汗ダラダラなのを隠していると、

足ドン系女子(もうこの呼び名でいこう)の顔が私にずいっと近づく。




…………うーん、アイラインちょっと歪んでるなぁ。惜しいね。





そんな悠長なことを考えている場合ではない。




「あんた、あんまウチらナメてっとさぁ………」



「何してんの？」




足ドン系女子が凄みをかけながら途中まで言いかけると、彼女たちのさらに後ろから声がかけられた。




「っあ…………“英くん”！？！？」





これが噂をすればなんとやらってやつか。




足ドン系女子はすぐさま私から足をどかし、
少し怯えたように“英くん”を見上げている。




………その距離とその角度じゃ絶妙に顔が見えないんだよなぁ………


何とかしてアキラクンの顔を拝もうと試みるも、どうも上手くいかない。




くっそ、顔を見せやがれ。
見ず知らずのお前のせいで私はこんな目にあってんだよ！！！




そんな私の叫びは誰にも届かず、アキラクンは口を開いた。

「………あんまそーゆー、人いじめんのよくないよ。





…………たとえ相手が変態ゴリラでもね。」






『おまっ、国見だなさては！？！？！？』




突然のdisにうっかり大声が出てしまった。




外面のよろしい私に暴言を吐ける男子は国見くらいしかいない。

花巻さんと松川さんは後輩にこんなこと言わない………と信じたい。




バラバラだったピースが繋がった気がした。




「い………行こ、」


そう言ってあっという間に彼女たちは去っていってしまった。




『結局誰だったんだろうあの子達………』



国見「お前誰だか知らない奴に足ドンされてたの？？」



『うん………？アキラクンに近づくなって言われ………




あなたアキラクンって言うのね！？！？！？』




私お前に近づくなって言われてたのね！？！？草！！！！



国見「あーーーーきーーーーらーーーーー。」



『雑なフリに雑に乗ってくんのやめろ！？！？』



どこまでノリがいいんだこいつ、ともはや呆れていると、国見はそういえば、と珍しく真面目な顔でこっちを見た。





国見「他には？何もされてない？」



…心配そうな顔すんな気持ち悪い。



『何も無いよ、女の子達いい匂いだった………』




そう言って笑う。

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