【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ38)

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参拾陸ページ38

｢どうかしたかの？｣

ネテロさんの声が私の横から聞こえてきた

否、さっきまで向かい側の柱にいたはずのネテロさんが
いつの間にか私の横を通ってゴン達に向かって歩いていくのだ

瞬間移動でも出来ない限りこんなことは不可能ではないのか……？

ゴンはきょとん、としているけど
キルアは

｢素早いね、歳の割に｣

って言ってたし、多分物凄い速さで移動してきたことは間違いないみたいだ

当の本人は
｢え、いまのか？ちょっと動いただけじゃよ？｣

と、とぼけた様子。

キルアはその態度が気に食わないのか顔を曇らせて

｢何か用？爺さん最終試験まで別にやることないんだろ？｣

と、ちょっぴり鋭めな一言。
それに対してネテロさんは

｢そう邪険にしなさんな。退屈なんで遊び相手を探してたんじゃ｣

どうやら暇を持て余してたらしい。
試験の審査員の偉い人だからお仕事とか山ほどあるってイメージだけど、そんなことはないのかな？

｢いこうぜ、ゴン。Aとも落ち合わなきゃいけないしな｣

そう言って踵を返そうとするキルア。ツンツンしてるなあ

しかしそれをネテロさんが引き止める

｢まあ、待ちなさい。
……お主ら、ワシとゲームをせんかね？｣

｢ゲーム？｣

ゴンもキルアも訝しげな表情だ

｢もしそのゲームでワシに勝てたら、ハンターの資格をやろう｣

つ、つまりゲームで勝つだけでハンターになれるってこと！？

これは私にとっても聞き捨てならない事だ

｢ほんと！？やるやる！！｣
｢……｣

ゴンは瞳を輝かせて頷いてるけど、キルアはまだ訝しげな表情のままだ

｢そこのお嬢さんもどうかの？｣

ネテロさんは私の方を振り向いて問いかける

そこでやっと、私は柱から出てこれた

どうやら私がすぐ側にいたのに気付いてなかったみたいで、ゴンもキルアも目を見開いて驚いてた

｢A！？お前いたのかよ！｣
｢全然気付かなかったよ！｣

｢いやあ、会話に入るタイミング逃しちゃって……｣

えへへ、てへぺろポーズかましとく私

｢やるのか？やらんのか？｣

ネテロさんが問いかける

私はネテロさんと向き合って

｢やらせてもらいます｣

短くそう答えた

｢はぁ、しょうがねぇな。Aもゴンもやるなら俺もやるぜ、爺さん｣

これで3人ともゲームをやることが決まったのだった

よーっし、絶対勝ってやる！！

勝ってハンターになってやる！！