【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ32)

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なんなんだあのおじいさん……。
私の力作の生姜焼きを……！生姜焼きを……！！

｢な、何者だ？あの爺さん｣

受験者の誰かがそう呟いた

確かに、生姜焼きに気を取られてすっかり頭が回らなかったけど
遥か上空の飛行船から下駄はいて飛び降りて無傷でメンチさんの方へ向かっていくあのお爺さん、絶対普通じゃないよね

｢審査委員会の会長であり、ハンター試験の最高責任者。
ネテロ会長よ｣

と、説明してくれるメンチさんに

｢ま、責任者と言っても所詮裏方。
こんなトラブルが起きたときの
処理係みたいなもんじゃ｣

そう付け足すネテロさん

こんな人間離れしたお年寄りが会長を務めてるのかぁ。
改めて、ハンターってすごいなあ。いろいろと

｢さて、メンチくん｣

ネテロさんの呼びかけに、はい。と畏まるメンチさん

｢君は、未知のものに挑戦する気概を問うた結果、全員その態度に問題有り……不合格と思ったわけかね？｣

｢いえ、受験者に美食ハンターを軽んじる発言をされ、ついカッとなり、必要以上に審査が厳しくなってしまいました｣

メンチさんは一瞬、チラッと先程揉めてた受験者を見やってそう答えた

まあそうだよね
努力して美食ハンターになったのに
馬鹿にされたら気分がいいはずないもんね

……おっと、まだ二人の会話が続いているみたいだね

｢つまり、自分でも審査不十分だとわかっとるわけだな｣

ネテロさんがそう問掛けると

｢はい。料理のこととなると、我を忘れるんです。
試験官失格ですね｣

メンチさんはそう言って申し訳なさそうに俯いた
でも直ぐに顔をあげて

｢私は試験官をおりますので、試験のやり直しをお願いします｣

ネテロさんをまっすぐみやってそう言った
対するネテロさんは

｢うむ……。しかし、急に別の試験官を
用意するのも面倒じゃ。なので……

君には試験官は続けてもらう。ただし新しい試験には
君も実演、という形で参加してもらう……
というのはいかがかな？｣

その方が、受験者も納得行きやすいじゃろう、と付け加える

｢そうですね。
それじゃあ新しい課題は……

ゆで卵ってことで！｣

どうやら、メンチさんとネテロさんの意向で再試験を行うことになったみたいだ

よかった！まだチャンスはあるんだ……！
今度こそは、絶対に突破するぞーー！！

……ところでこの一連の会話にブハラさん1回も口挟んでなかったけど、あの人いる意味あるのかな……？