【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ30)

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弍拾捌ページ30

なかなか合格者がでない状況に頭を抱えていると、

突然クラピカが、そうか！と指を鳴らした

｢この試験課題は料理だが、審査の対象は独創性と観察力とみた｣

そう言うクラピカに、なるほどな。と賛同するゴンとレオリオ

すると何かを思いついたのか、三人は自信満々に調理に取り掛かったので様子を見守ることにしたんだけど、

レオリオは豚の丸焼きに旗をさして、｢お子様ランチか～！｣と突っ込まれてたし、

ゴンは豚の丸焼きの周りに花を並べて｢大して変わらんわ～！｣と放り投げられてたし、

クラピカに至っては、見た目華やかな料理を出したものの、｢不味いわ！！｣とか｢アンタも403番と同レベル｣と散々に言われ肩を落として帰ってきた

クラピカは相当ショックだったのか、

｢はっは～！残念だったな～！｣

と陽気に迎えいれるレオリオに対し

｢403番と同レベル、か……｣

とめちゃくちゃ項垂れていた

さて、と

｢じゃあ、次は私の番だね！｣

ゴン達のジャッジを見ながらも、実は私も着々と料理を作っていたのだ！

自信に満ちた顔で、私はお皿を持った

｢おっ、めちゃめちゃ美味そうじゃねーか！なんなんだそれ？｣

レオリオの声と共にゴンとクラピカも興味を示してくれた

これまでの受験者達の散々な言われようを見てきたけど、
どうやら見た目だけでなく味も伴った料理を作ることが大前提みたいだ
且つ、私みたいな非力なJKでも作れる料理……

｢豚のしょうが焼き！ジャポンの家庭料理だよ！｣

はっきり言おう、これはめっちゃ、かなり、すごーく自信ある

小さい頃ママと一緒に作ってパパや組員の皆に振舞ったこともある思い出の料理なのだ

｢これはぜってぇ合格だろ！A！行ってこい！｣

レオリオに背中を押され私は一歩踏み出した

その時だった

｢へっへへ、食った食った！もうお腹いっぱーい！｣

｢はぁい、あたしもお腹いっぱーい

てなわけで合格者無し、終了ーー！｣

……え？？？

響き渡るその声に私はしょうが焼きを持った固まってしまった

｢合格者ゼロ？｣｢マジかよ｣

納得のいかない受験者達がザワつく声も、今の私の耳には入らない。

頭が真っ白になった

不合格……？これで終わり？こんな所で？？
いろんな言葉が頭の中をぐるぐるしてる

そして何より、
私を信じて送り出してくれた両親や組員達の期待をこんな形で裏切ることが辛かった

ごめん、ごめんなさい皆……

思わず涙が滲んだ