【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ26)

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弐拾肆ページ26

｢わ～広いなあ……｣

門の外で見てた時からなんとなく分かってたけどやっぱ広いなあ

湿原を抜けたこんな森の中に、こんな立派な敷地があるなんて……

こんなとこお金持ちしか住めないでしょきっと

｢ようこそ。
あたしが二次試験試験官のメンチよ｣

私達受験者全員が敷地に入るのを確認した女性が口を開いた

女性の後ろにいた男性も

｢同じくブハラ｣

と、続けた

この人達が試験官か。どんな試験なんだろう

今度こそ筆記かな？？

筆記の対策なら万全だから筆記試験がいいな！！

──なんてこと考えてたら

ゴォオオオオ

と、突如轟音が鳴り響いた

普通にびっくりした！肩ビクってしたよ！

周りの人達も

なんだこの音は……とざわついている

｢どうやら腹ぺこのようね｣

メンチと名乗った女性はブハラと名乗った男性を見上げた

どうやら今の音はブハラさんのお腹の音だったようだ

｢もうぺこぺこだよー｣

と項垂れるブハラさん

｢そんな訳で！
二次試験は……｣

立ち上がるメンチさん

受験者達に緊張が走る

｢料理よ！！｣

メンチさんは人差し指をびしっと前に出して言い放った

へ……？？

料理……？？

周りからも困惑する声が聞こえる

｢なんで料理なんだよ！！｣

不満に思った受験者の一人が声を荒らげた

メンチさんは、よくぞ聞いてくれた！と言わんばかりの表情で

｢なぜなら私達は、美食ハンターだから｣

と言い放った

声を荒らげた受験者は一瞬キョトン、としやがて吹き出した

周りの人達もそれに賛同するように笑いだす

拍子抜けだぜ。
美食ハンターだとよ。

そんな声がちらほら聞こえてくるけれど、
他人の職業笑うなんて最低だ

私はあまり気分が良くなかった

｢で、美食ハンターさん？
一体どんな料理を作りゃいいんだい？｣

受験者の一人がたずねた

｢……ブハラ｣

メンチさんはツン、としながらブハラさんに話を振る

ブハラさんはのそり、と前に出た

｢指定する食材は豚だよ｣

豚……？
豚ってあの豚か？？

とざわめく受験者を後目にみてブハラさんは説明を続ける

｢このビスカの森にいる豚なら、種類は自由。
その豚を、そこにある調理器具を使って作った料理で、
俺たち二人が揃って美味しいと言えば合格だよ｣

｢美味しいと言っても味だけじゃだめ。料理をなめないでね。
わかった？
私達二人が満腹になった時点で、試験は終了だからね｣

と、メンチさんが付け加えた

メンチさん超不機嫌じゃん～