【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ19)

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拾漆ページ19

私が
まだ走るのか……と落胆してから数分経った

私は近くの壁に背を預けて座って休憩することにした

続々と受験者が階段を駆け上がってくる

レオリオとクラピカも続いて到着

レオリオに至ってはヒーヒー言ってて死にそうだった。ちょっとおもしろかった

｢やぁクラピカ！｣

とゴンがクラピカに声をかける

私もおつかれ、と続いて言っておいた

｢ああ。ここがゴールか？｣

｢違うってさ｣

ゴンが返すとクラピカは、そうか。と短く返事をして前を向く

私と違ってほんと冷静だなあクラピカは

霧が晴れてきたぞ、とクラピカの声につられるように私は顔を前に向けた

そこに広がるのは一面の緑。どこかの漫画のキャラなら
あー、一面のクソミドリ。とか言ってんだろうな。
ポ○テピ○ックおもしろいよね

そんなことを頭に浮かべていると、

階段から少し進んだところで、サトツさんが口を開いた

｢ヌメーレ湿原。通称詐欺師の塒｣

二次試験会場へはここを通っていかねばなりません。だって

また走るの嫌だなあ。女の子にとっては酷だよほんと

｢この湿原にしかいない奇怪な動物達。
その多くが、人間をも欺いて
食料にしようとする狡猾で貪欲な生き物です｣

サトツさんは、充分注意して着いてきてください。と付け足しくるりと私たちの方へ体を向けた

｢騙されると、死にますよ｣

人差し指を立てて、淡々と説明していくサトツさんに、
周りもざわめきだす

その時、後ろの階段のシャッターが降りだした。
タイムアップってことか

｢ま、待ってくれぇ！｣

ギリギリ間に合わなかった受験者の悲鳴が聞こえたけど、
ここで間に合わなかったらどうやって帰るんだろう。大変そうだなあ

｢この湿原の生き物は、
ありとあらゆる方法で獲物を欺き、
捕食しようとします｣

｢標的を騙して食い物にする生物たちの生態系……詐欺師の塒と呼ばれる所以です。

騙される事の無いよう、しっかりと私の後を着いてきてください｣

釘を刺すようにサトツさんは言い放った

｢けっ。ふざけた話だぜ！
騙されるのがわかってて騙されるわけねぇだろ！｣

レオリオはそう言ってるけど、私はそうは思わない

同じような事言って、結局騙されて泣き入れるお年寄りがジャポンには何人もいるんだよ

詐欺師は甘く見ないほうがいいと思う

そう心の中で考えていた、その時

｢騙されるな！！！！！｣

遠くの方で大声が聞こえた