【HxH】ヤクザの娘の私がハンターになるまで。 (ページ16)

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拾肆ページ16

でもそれって、

｢だが、そいつはお前さんが最も嫌う
誇りを捨てた飼い犬ハンターになるってことだぜ？｣

うんレオリオ。私もそれ思った
散々お金目当てのレオリオを軽薄とか罵ってたのに……

｢仲間の苦しみに比べれば、私の誇りなど意味の無いものだ｣

一切の迷いなく語るクラピカに圧倒され
私もレオリオも、押し黙ってしまった

｢……わりーが、俺にはお前みたいな立派な動機なんてねえよ。
目的はやっぱり金さ｣

嘘を言うな！とクラピカが声を荒らげると、

レオリオも、嘘じゃねえよ！と声を強める

あぁ～あ、
ちょっと空気がピリついてきたぞ

｢まさか、本当に金でこの世の全てが
買えるとでも、思ってるのか！｣

｢買えるさ！！物はもちろん、
夢も心も人の命だって金次第だ！｣

レオリオ……。
これは多分、心からそう思って
言ってるんだというのは何となくわかる
でもなんで、そんなに悲しい顔をしてるんだろう

｢撤回しろレオリオ！
クルタ族のことを言っているなら許さんぞ｣

｢なぜだ、事実だぜ？
金があれば、俺の友達は死ななかった！！｣

え、それって……

｢……病気か？｣

クラピカが静かに問いかける

｢決して、治らない病気じゃなかった｣

そう言ってレオリオは友人が病気で倒れた時のこと、
それを目の当たりにしてしまったことを話してくれた

｢問題は、膨大な手術代さ。

俺は単純だからな、医者になろうと思ったぜ。
ダチと同じ病気の子供治して、金なんかいらねえって
言ってやるのが俺の夢だった｣

振り絞るように語るレオリオの目尻から涙が零れていた

笑い話だぜ、と涙ながら言うレオリオ

笑えない、それどころか
気付けば私も、目頭が熱くなっていた

｢そんな医者になるためには、さらに見たこともねぇ大金がいるそうだ

わかったか！金、金、金だ！！！
俺は金が欲しいんだよ！！！！｣

クラピカは、レオリオがただの軽薄な男ではないことを知れたからか、
安堵した、優しい表情を浮かべていた

その時

｢クラピカ、A、お先に！｣

ゴンだ
体力あるなあ

｢おっさん、先行くぜ｣

ゴンの隣の少年がレオリオに声をかける
この子誰……？？

｢おっさんじゃねえよ！俺はまだお前らと同じ十代だ！！！｣

は？

このおじさん、今自分のこと十代って言った？

クラピカ達も固まってる

今日はエイプリルフールじゃないってことは……

マジか～！人は見た目によらないって本当だったんだな