21、松田side ページ22
「陣平飲んでるの〜?」
ビールのジョッキを片手に笑っているA。
この居酒屋はたまたまお互いが知り合ってから初めて飲見に行こうとなった時出会った店だ。
古いし客も少ないがおじさんやおばさんの人の良さやまかないがすごく美味しくって俺も密かに通っていた。
松田「おい。」
「ん〜?」
松田「最近どうなんだ。」
他愛ない話の流れの中でAに話し出すと飲んでるというのに急に顔色を変えて俺の方を見てきた。
「秘密。いろいろ業務の事とか私が所属している場所の話しちゃいけない決まりなの。」
松田「ふーん…」
苦笑いをしながらも一瞬悲しげな表情なるAを俺は見逃さなかった。
「まぁ…こんな話はやめてさ飲もうよ!おじさんビール陣平にもう1杯」
おじ「あいよ」
急に明るい顔になるAにこいつ前からこんな顔色変わるヤツだったか?と疑問には思ったが公安という職場では必須なのだろうと目の前にきたピールを一気に飲んだ。
「おお〜陣平飲みっぷりいいね」
隣で拍手をしながら笑顔なAは私もー!と7杯目になるビールをおじさんに頼むとそれも一気に飲んでしまう。
松田「おい。大丈夫なのか?」
「なにが?」
松田「お前は酔うという頭はねぇーのか」
「あります、ただまだこのぐらいでは酔わないよーだ」
べーっとしながらこちらを見る。
おじさんとおばさんはその光景をみて笑えばAも笑顔で返していた。
何故だか俺自身も笑えばAは不思議そうな顔でこちらを見る。
「陣平…やっと笑ったね」
松田「…俺をなんだと思ってんだ。」
「いや、なんか久々にみたなーと」
松田「そのセリフそのまま返すぜ」
睨み合っこの形をとればお互いぷっと吹き出しまた笑顔に戻る。
一言いえばよかったと思う。
Aが元気そうで。
そんな事を思っているとAの鞄から電話がなる音が聞こえAは鞄からとると表示されている名前をじーっと見ていた。
松田「誰だ?」
「あー仕事かなっ」
ちょっとごめんねっと言うと鞄ごと持って店の外に出ていく。
松田「仕事…ねぇ。」
ちらっと見えた名前は“安室透”。
小さいガキがよく事件現場にいてなんとなく耳にはいる名前だ。
そして俺の関わる事件に名前が出てくる時も必ずしもいない。
Aには伝えてねぇが俺は知っている。
「零…」
降谷。お前なんだろ。
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作者名:たまごん | 作成日時:2018年7月10日 0時