11、あなたside ページ12
「はぁ〜〜〜」
また皆現場に行ってしまい誰もいない部署でとある事を思い出し大きくため息をついた私。
つい先日降谷さんと話し込んだ日の事だった。
「これは上下関係はなしで1人のAAとしての意見です。だから貴方も死なないで。」
そう言った後に降谷さんが握り返してくれた時にはっとした。言ったことは本当でも私はいつも感情移入してしまいスキンシップが多い事に気づく。
元の部署では毎回陣平に怒られてしまう事もあったし…ただそこがいい所だと褒められることもあったが…
「適度になおさなきゃいけないよね…」
元の現場でもそうだがここでは特に生死にかかわる仕事が多く来ると前に風見さんと話した時言っていた。
「でも降谷さんと現場に行けるのは公安としても私としてもありがたい。」
そんな事を独り言で言っていると私自身の携帯が鳴り響く。
「珍しい…誰からだろ…非通知…?」
怪しいとは思ったがたまに風見さんから聞く話によると公衆電話でかけてくる時もあるみたいな話を聞いてからは極力出るようにはしている。
ピッ
「はい。」
降谷「俺だ。」
「あっ…はい!降谷さん!」
降谷「さっそくだが現場の仕事がある。指定場所は今から送る。」
「了解しました。」
終わるとすぐにメッセージの方にきた内容を確認する。
“安室透”
降谷さんのもうひとつの名前。
外で会う時もこの名前で呼ぶように伝えられている。
そして公安に入りたての頃すべての携帯に入っている名前を変えろと指示もあった。
もし紛失やスパイの任務についた時にわからないようにするためのすべて偽装だ。
「米花公園…私服」
メッセージも基本読んだら完全に削除するのが決まりだ。
いくら安室透としての彼でも何かの原因になってしまうといけないからだ。
そのメッセージを頭に入れ部署をあとにして自身のマンションに戻る。
クローゼットを開けるとそこには着ていない服達。
「久々だなぁ〜いつもスーツだから…」
多分私服でこいというのだからハニトラ…の可能性も含めてすこし大人なワンピースで軽く化粧をした。
身の回りのものを片付け支度し玄関で靴を履く。
「いってきます。お父さん、お母さん」
帰ってくるはずもないし返事がある訳でもない、誰もいない部屋の方を向いて玄関のドアを閉め鍵をかけた。
両親はもういない。
私にとっては早すぎる別れで警察になる夢をくれた人達。
「よし、行きますか」
私は目的地に歩き出した。
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作者名:たまごん | 作成日時:2018年7月10日 0時