8-1.焦り ページ37
貴方side
コンコンコン
『失礼します、お呼びでしょうか総統様。』
ノックをすると、"入れ"と声が聞こえ、私は扉のノブに手をかける。
gr「待ってたゾ!さぁ、そこに座ってくれ。」
私は1つお辞儀をして
『失礼します。』
と言い、グルッペンさんの近くにあったソファへ腰掛けた。
するとメイドさんがやってきて机に紅茶を出してくれた。…凄い。メイドさんがいる。
するとグルッペンさんはゴホンとひとつ咳払いをしてから話し始めた。
gr「早速本題に入るが、Aさん。改めて言うが、ゾムを助けてくれて有難う。感謝する。」
『いえ!とんでもない…当たり前の事をしただけですよ!』
…こういうかしこまった事は性に合わないんだが、総統様の事ならば仕方ない。礼儀正しくしないと。
zm「俺からも改めてありがとうな、お陰で死なずに済んだわ!」
gr「そこでだな、ゾムの怪我を見せてもらったんだが、素晴らしい治療だったゾ!医者でも目指していたのか?」
うわ、鋭いとこ突くなぁ…。
『えぇ…実は一時期医者、と言うか薬師を目指していまして、少しだけこういう事を学んでいる時期があったんです!』
…怪我の手当が暗殺の仕事してるうちに上手くなってましたー何て事言える訳無いだろ。
gr「今は目指してないのか…?」
『?えぇ、はい。』
一体何が言いたいんだ?
gr「もう一度その夢を目指してみないか、と言ったら…貴方はどうするんだ?」
『え…。』
これは、言われるな。あの言葉を。
zm「あの手際の良さ、包帯の巻き方、全部完璧やったで!」
するとグルッペンさんとゾムさんが顔を見合わせながらニヤリと笑った。
gr「Aさん。我々国の
軍医にならないか?」
…あー。やっぱり。
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作者名:あとら | 作成日時:2019年9月22日 21時