1-2.___ ページ4
???side
──足が痛い。
クソッ
クソ!
っ早く動け !
mb「おい!あれじゃねぇか?!」
mb「っ!いくぞ!早く追いかけろ!」
「くそ....なんでこうなった....!」
俺は普通に偵察に行って、普通に国に帰ってくるはずだった。
だが完全に油断していた。
山奥で隠れながら偵察に行ったものの、敵兵に見つかってしまった。
飛んできたナイフは避けたものの、よろけた影響で体制が崩れ足を捻ってしまったのだ。
インカムも生憎壊れてしまい仲間に連絡は出来ず、自分で逃げなければいけない状況だった。
何処ぞの無能みたいにガバってしまった。
「くっ...そ....!!」
やっとの事で自国のスラム街、C-2区間までたどり着いた。が、気づけば路地裏に追い込まれ、敵兵に囲まれていた。
まさに、絶望の淵とはこの事を言うのであろう。
カランッ
「?!」
?『っあ、やべ。』
敵兵を挟んで向こう側にいたのは
黒ずくめの一般市民だった。
まずい。関係ない国民を巻き込んでしまう。
早く動かないと。
動け動け
動け動け
動け動け
動け動け
動け....ッ!!
頭ではわかっているのに、行動に移せない。
巻き込みたくないので兎に角逃げろという意思を伝えようと思い、
「っ!早く!逃げろ....ッ!」
そう言った、なのに
『…ワケありっスか。』
そう呟いて、黒ずくめの奴は俺を横目に敵兵を倒して行った。
mb「う"がぁぁぁぁ....!」
mb「?!っくそ!」
なんだ。どういう事だ....。
「....前言...てっ....か....い........。」
黒ずくめは一般人では無かったようだ。
俺は最後の希望に賭けて意識を落とした。
今の俺には
何も出来ない俺には
…こいつに賭ける事しか出来なかった。
でも何故だろう。
何故か
その声が
フードの隙間から見えた
その瞳が
───酷く懐かしい気がした。
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作者名:あとら | 作成日時:2019年9月22日 21時