世界一クラブの小説作るってよ。その2

イヤイヤ ページ30

新刊読みました。
控えめに言って最高。
挿絵の、光一が和馬くんを副リーダーに誘うところが好きです。
ーーーー
光一side

「和__」

「嫌だ」

声をかけようとすると、和馬が全走力で走っていってしまった。
既に見えなくなった和馬の方向を向き、ずるずるとしゃがみ込む。
思っていたよりも重く湿ったため息が吐き出された。

「…和馬に、嫌われた…？」

ーー

最近、和馬に距離を置かれるようになった。
普通に受け答えはするけど、こう、なんというか…恋人としての交流が拒まれる。
やっぱり、男同士だからか？それとも、ほかに好きな人が…

「…この話はもうやめよう」

自分で考えたものの、ズーンと暗い気分になったので思考を断ち切る。
それでもまた沸沸と浮かんできて、おれは頭をかいた。


冷め期とかだとしても、あまりにひどい。
この前なんて、キスをしようとしたら腹に重い一撃をもらったし。
あの時の痛みが思い出されて、思わず腹を押さえた。

とは言っても、相談できる相手もいない。

世界一クラブのメンバーにも秘密で付き合ってるし。

「どうしたらいいんだよ！」

思いのほか大きく出た声が、辺りにこだましたのだった。

ーー
和馬side

まずい。
逃げてきてしまったが、さすがに何か言うべきだろうか。
この前も、本気で殴ってしまったし…
膝から崩れ落ちた光一の姿を思い出して、顔をしかめる。
あれは、痛そうだった…オレのせいだが。

最近、光一を避けている。
別に嫌いとかいうわけではないが、オレにとっては深刻な事情だ。

…口内炎が痛いっ！！

夕飯の時、思いっきり噛んだ。
かなり痛くて、しばらく痛みに悶えていたのも記憶に新しい。

光一は、キスとかその他もろもろが上手い。驚くほど上手い。
それが天才ならではなのか、調べたのか。
定かではないが、その上手さが今のオレとしてはよろしくない。

口内をかき回される時、普通に痛い。
気づくすべもないだろうが、痛すぎて涙が滲むほど。
光一はそういう雰囲気の時、必ずと言っていいほどキスをする。
なので、その時は逃げるようにしている。

…最近は少し寂しいが。
勘違いなどはされていないことを祈る。

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