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岸「近衛ちゃ〜ん！この料理5番テーブルに持ってって！」
「了解です〜！」
ちょうどディナーの時間帯。駅前のファミレスである店内は混み合っていてガヤガヤガヤガヤ。
でもこのお店の従業員は忙しいからってイライラして空気が悪くなることはなくて。それもバイトリーダーである岸さんの人柄のおかげだと思う。
岸「ちょ、近衛ちゃん、コレとコレも一緒に持ってける？」
「ひぇ〜〜結構たくさんですね！頑張ってみます…！」
お皿を5つ。左腕を駆使しながら試行錯誤するけど、なかなかいっきに持ち上げられず苦戦していると後ろから廉もキッチンの方へ入ってきた。
廉「お前ほんまに不器用やな」
「うるっさいな！これくらい私にもできるわ！」
廉「ええからソレ貸してみ。Aはコッチの2番テーブルの方運んで。」
そう言って私が苦戦していた5つの皿をヒョイヒョイと全て持つと、ホールの方へ出ていった。
……つ、罪な男〜〜！！ちょっとキュンとしちゃったじゃん！
岸「ごめんね近衛ちゃん！女の子に持たせる量じゃなかったよね！！！」
「いやいやいや！！いいんですいいんです！！私がヘタクソなだけなんで！！」
岸「それにしても廉、近衛ちゃんに優しいよなぁ。オレ、あんな風に助けてもらったことねぇもん」
「優しい？！どこが？！てか岸さんは助けてもらうって立場でもないでしょ(笑)」
岸「まぁそれもそうか！あ！新しいお客さん来た！2番テーブル行くついでにご案内よろしく！」
「あ、は〜い！」
お料理を運び終わったら入り口付近で待つお客さんを案内しようと、ソッチに視線を移す。
明るい茶髪に、シルバーのフープピアス。
想像もしてなかった見慣れたヤンキーの登場に固まっていると、来客に気づいた廉が長い足でスタスタとやってきた。
廉「いらっしゃいませ〜。何名様ですか〜？」
『あ、えーっと、一名様で〜す！』
うるさい店内のなか、聞き逃してしまいそうになるほどのハスキーな声。
「え"！！！！！紫耀？！？！」
紫耀「あ！A！」
整いまくった顔をこれでもか！ってくらいクシャッとさせて笑った。
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作者名：たまごちゃん | 作成日時：2019年10月13日 18時
