2 ページ3
.
「ん〜〜〜、コンソメパンチとたけのこの里だったらどっちがいいかなぁ」
廉「やっぱり余計なもん買って帰ろうとしてるやん」
「余計なもんじゃない！生活必需品！」
廉「ハァ…………そんなんやからいつまでたっても痩せられへんのやで。そもそもなあ毎日毎日お菓子ばっか食べよって……………」
隣でピーチクパーチクうるさい永瀬を視界からシャットアウトし、目の前の美味しそうなジャガイモとタケノコに集中する。
でも甘いもの食べたあとって絶対しょっぱいもの食べたくなるよね、よし！両方買っちゃお！
お菓子を2つと、さっきおにぎりコーナーで選んだ鮭のおにぎりを持ってレジへ向かおうと永瀬の方に振り返れば、なにやら真剣な顔でポッキーとトッポを見比べていた。人のこと言えないじゃん。いやコイツは信じられないくらい細いけど。
「もう私レジ行くけど！」
廉「…ちょ！近衛やってさっきまで悩んでたのにひどいやん！」
口ではそう言いながらもこっちに歩いてくる。ポッキーもトッポも持ってる。親の目気にしないでお菓子食べれるのは一人暮らしの特権だよね。
お互いにお会計を済ませ、道路挟んで向かい側にあるアパートを目指す。ちなみに永瀬は同じアパートの隣の隣に住んでる。
廉「なぁ……」
お菓子のことで頭がいっぱいだった私は、いつもとは違う永瀬の声色には気付かず「なに〜〜」と、間抜けた返事をした。
廉「やっぱ近衛のこと下の名前で呼んでいい？」
「えっ………」
てっきり、ポッキーとトッポどっち派〜？くらいの軽さの質問が投げかけられると思っていたから、びっくりして立ち止まってしまった。
道路、渡りきっててよかった。
廉「まだ知り合ったばっかの頃、オレが友達として距離縮めたくてAって呼んだら "下の名前で呼ばれんの嫌やから名字で呼んで欲しい" 言うたやん？」
「…うん、自分の名前あんま気に入ってないんだよね」
……ほんとはめちゃめちゃ気に入ってるけど。
廉「その割にはLINEの名前も下の名前やし…それに、アミちゃんお前のこと普通にAって呼んでるよな？」
変なとこ鋭いな…
ちなみにアミは永瀬と私と同じサークルで、私が大学内で一番よく行動を共にする女の子。
廉「なんでオレはアカンの？男やから？オレ、近衛とは男とか女とか関係なく良い友達になれてたと思っててんけど、」
永瀬の不安そうな瞳が揺れた。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たまごちゃん | 作成日時：2019年10月13日 18時
