世界一クラブの小説作るってよ。その5！！ (ページ15)

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コイビトページ15

すごく世界一クラブ書きたい欲が出てきた。
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和馬side

「ただいま、和馬」

光一が言う。おかえり、オレはそう返した。
カバンを置いた光一は、オレの隣に腰掛ける。柔らかいソファが体重を受け止めて、少し沈み込んだ。

「今日も大変だったよ、部下が書類窓からばらまいちゃってさ」

いい奴なんだけど。と笑って語りかける光一に、こくこくと頷いて話を促す。ふーっと息を吐いて、愛しい恋人は目を閉じる。さらりと落ちる黒髪に指を通して、いたわるように髪を弄ぶ。まるで触れている感覚がないくらい柔らかかった。

「和馬も、おれの会社に来れればいいのに。上司もいい人ばっかりだぞ、後輩も熱心だ。」

オレも行きたい。きっと光一が言うならさぞいい職場なんだろう。
前の職場は酷かったからな。

「ほんとに、前のトコとは大違いだ。前のは、おれはちゃんと仕事してるのに、認めないでパワハラしてくるし」

きっと妬みだ。気にするな。

「……本当に、和馬って美人だよな。小学生の時から思ってはいたけど、成長してより良くなったっていうか……雰囲気が見た目と合ってる感じだ」

急にくどくな。

素知らぬ顔で話を聞くが、じわじわと胸が暖かくなる。お前だって顔はいいからな。きっと職場の女性にも好かれているんだろう。

「…………きっと、本当ならこれからも奇麗になっていったんだろうなあ……」

…………。

そんなことは、ないぞ。
きっとオレはこのままだった。変わらなかったよ、光一。
だから、惜しむな。オレの未来を想うな。

もういない人間の未来を想ったところで、なんの意味もないんだから。

「なあ、そう思うだろ？もっとすごい忍びになって、きっと達蔵じいさんを超えるレジェンドになったんじゃないか？」

そんなことない。

「達蔵じいさん、お前のこと目にかけてたし、情に厚いよな。一番悲しんでたよ、和馬がいなくなって」

あのじいさんが気にしすぎなんだ、光一が気にすることはない。

「ああ、警部も泣いてたな。初めて見た、風早警部が泣いてるの」

それは家族だからだろ。

「世界一クラブのメンバーも、悲しんでた。大人になって事件解決とかはしなかったけど、たくさん旅行に行ったよな」

……。

「……なんで」

「なんで、おれをかばった？」

白い車体とアスファルトがフラッシュバックする。最期の記憶は、愛しい恋人の泣き顔。

光一は、歪な泣き笑いで。

「一緒に、居たかったｯ」

オレの遺影を撫でた。