＃ ２９ -yzr- ページ31
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アイリンについてAの名前を叫び続けるが音沙汰もない。ティッシュボックスも裏返しで脱ぎ捨てた長袖もタオルも全部置きっ放しなわけで、あいつがいないわけがない。製氷機がかけられたばかりの銀盤も見事に跡が残っている。絶対にどこかに隠れていると確信を持てた。
Aのことだから出口の真反対にあるベンチサイド？
小学生の頃に奈々美先生に怒られて逃げ回った時に大抵その時からずっとそこのベンチに伏せて隠れていた。俺にビビっているのかと、作戦変更をし、呼ぶのをやめて足音をなるべく立てないで歩き始めた。するとベンチの脇に伏せて丸くなっているのが見えた。俺は彼女が逃げ出さないように腕を掴んだ。
「おい、チビ。お前本当に意味わかんないやつだよな。話したいから立てよ。」
すると彼女は口パクで、ないよ、という。
「あるからここまで来たんだよ。そこにうずくまってないで早く立って。」
「......ない、よ。」
半分掠れた声で返事をし、目線は合わせてくれないままだ。
「あるからここまで来たって言ってんじゃん。」
「ないから離して！」
立ち上がった反動で掴んでいた腕を振り払われる。
「ちょっ...！」
追いかけるも、氷上の速さで有名だということもあり、靴を履いたままでも普通に速くてなかなか追いつけない。
「来ないで！！」
そう叫ばれても俺は追いかけて、再び手首を掴んだ。
「やめてってば！」
「話があるつってんだろ！何回も言わせんなよ！！」
「っ...！」
こんなに怒鳴ったのもすごいがつくほど久々で思ったよりも低くて大きい声が出たのが自分でもびっくりする。さっきまでの強気なAも流石に黙って大人しくなった。
「いつまで俺を無視する気だよ。」
「...ごめん。」
「ごめんじゃわかんねぇよ。」
「...なんだっていいじゃん。」
「いい加減にして。無視される身にもなって。そもそも手紙にだってあんな意味深なこと書いておいてAはなにがしたいわけ。」
「...わけ.....ない...。」
「なに？」
「結弦にわかるわけないじゃん！！」
叫び返されて掴んでた手首を思わず離した。
「どれだけ結弦のせいで私が嫌な思いしてるか知らないでしょ？！結弦のせいで、本当しんどい思いしてるんだってば！」
そう言われて初めて自分の無神経さに気づく。Aは泣きながらその場を去っていき、俺は呼びとめる事もできなかった。
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菜奈(プロフ) - 『小さな灯』作品読ませていただきました。主人公の心情描写が凄く、震災やお母さんとの内容には涙が止まりませんでした。続きも読ませて頂きたいのでパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いします。 (2020年1月24日 6時) (
レス) id: 0fd3227b97 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - そうだったんですね！ それは、良かったです(*・∀・*)ノ (2018年8月19日 7時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃子。(プロフ) - あーちゃんさん» 申し訳ありません！！非公開に間違えてしていました...！お話が繋がっていなくてすいません。教えていただき本当にありがとうございます！ただ今直しましたので、よろしくお願いします！！ (2018年8月19日 0時) (レス) id: 47c9032c5c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 最初のストーリーを読んでます。 何故か、36話が抜けていますが、話はとんでいる訳ではないんですよね…？ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃子。(プロフ) - ?まなかさん» 申し訳ありません！今修正させていただきました！教えていただきありがとうございます！まなかさん、毎回コメントしていただき本当にありがとうございます！読んでいただけているだけで本当に嬉しい限りです。更新の方、頑張ります！ (2018年6月21日 18時) (レス) id: 47c9032c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃子。 | 作成日時：2018年6月10日 19時
