story107＿＿怒気 ページ15
業side
鷹岡にとって1番許せない生徒は、やっぱり渚君らしい。
俺はサボってたから実際見てないけど、鷹岡に平気な顔して本物のナイフを突きつけたのは他でもない渚君なんだから、そりゃ当人はトラウマにでもなるだろう。
渚君は今、鷹岡と二人でヘリポートにいる。
渚君1人で登らないと解毒剤が入ったスーツケースを爆発させると言うのだから、従わざるをえなかった。
俺等は、ヘリポートより少し下の屋上から二人の動向を見守るしかなかった。
鷹岡の目的は、前回のリターンマッチで渚君に勝つこと。
そのために、本物のナイフが用意されていた。
でも、渚君は断って、ナイフを握らなかった。
“戦いに来たわけじゃない”と。
次に渚君が鷹岡に求められたのは謝罪。
実力がないから卑怯な手で奇襲したこと、
生徒が先生に生意気な口を叩いたこと、
それらについてを、土下座で。
理不尽な話だ。
聞いているこっちの腹が立つ。
それでも渚君は冷静に、きっと理不尽だと思ってるだろうけど落ち着いて、言われた通り頭を下げた。
…それなのに。
｢あのウイルスで死んだ奴がどうなるか、“スモッグ”の奴に画像を見せてもらったんだが、笑えるぜ。
全身デキモノだらけ。顔面がブドウみたいに腫れあがってな。
見たいだろ？渚君｣
誰もがマズいと思った。
解毒剤の入ったスーツケースが宙に投げられ、
＿＿空中で一気に炸裂した。
｢あはははははは！！その顔が見たかった！！｣
絶望の中、響き渡る鷹岡の嗤い声。
渚君が静かにこちらを振り返る。
｢安心しな。おまえにだけはウイルスを盛ってない。なにせおまえは今から…｣
渚君は既に、“それ”を握っていた。
｢殺…してやる…｣
そして“それ”を…
本物のナイフを、鷹岡へ向けた。
｢ククク、そうだ。そうでなくちゃ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 778人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嵐符(プロフ) - 来葉さん» コメントありがとうございます！文の書き方とかキャラの性格とか設定とか、気に入っていただけて光栄です…！！すぐにとはいかないかもしれませんが、必ずまた更新しますね…！！ (2022年5月15日 22時) (
レス) id: 84f6dbb787 (このIDを非表示/違反報告)
来葉(プロフ) - 文章の書き方とか夢主ちゃんの性格や物語の設定が大好きです…！！また気が向いたら更新してもらえたら嬉しいです！！ (2022年5月14日 17時) (レス) @page38 id: a6cc678df9 (このIDを非表示/違反報告)
嵐符(プロフ) - 通りすがりの駄作者さん» コメントありがとうございます！半年ほど更新できていなくて本当に申し訳ないです…。自分としては、まだ完全に更新を止めるつもりはありません。待っていてくださり本当にありがとうございます…！励みになります。 (2021年9月11日 12時) (レス) id: 49e979e779 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの駄作者(プロフ) - 私も自分の作品を止めてる立場でお聞きするのは大変アレなのですが、もう更新する気はないのでしょうか…？とても面白い作品でした。いつまでも更新待ってます。 (2021年9月11日 8時) (レス) id: a3e16989e8 (このIDを非表示/違反報告)
嵐符(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます！！なかなか更新できてなくてすみません…。 (2020年6月6日 9時) (レス) id: 49e979e779 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
