暗殺教室には降谷零の妹がいる２【暗殺教室】【名探偵コナン】 (ページ43)

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story87＿＿閑静ページ43

業side

「…安室さんって、藍李の連絡先知ってるよね？」

「知ってるよ」

「家も知ってるんでしょ？」

「まぁ。幼馴染みだしね」

それがどうしたの、なんて言いながら安室さんは濯いだグラスを磨いた。

「…夏休みの間の連絡手段が無くて」

これは大誤算だった。

学校があったときは約束なんかしなくても毎日会えたから、連絡先の交換なんて頭になかった。

「…それで、僕を通じて藍李に連絡を取ろうとポアロまで来たわけだ」

「…仕方ないでしょ。藍李に会うより安室さんに会う方が確率高いし」

俺だってあんまり安室さんは利用したくない。

「店に藍李を誘うことくらいなら出来るよ。連絡先は個人情報だから、僕の判断で勝手に教えることはできないけど」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「僕のシフトがある日でいいね？
今週の金曜の午後は空いてるかな」

「基本暇だから多分大丈夫」

「わかった、伝えておくよ。
来るかどうかは藍李次第だけど」

「どうも」

俺はテーブルに置かれたアイスココアを一口飲む。

俺と安室さん二人きりの店内はとても静かだった。

なんだか沈黙も居心地が悪くて俺は口を開いた。

「…あのさ、前から気になってたこと訊いてもいい？」

「気になってたこと？」

安室さんは何か思い出そうとするように顎に手を当て、少し考えてから続けた。

「いいけど…」

「安室さんにとって、藍李ってどんな存在なの？」

「…幼馴染みって言ってなかったっけ」

「…訊き方間違えた。
安室さんの、藍李に対する感情ってn」

「藍李は僕の幼馴染みだよ」

安室さんは、俺の言葉を遮った。

「言うなら、妹みたいな存在かな」

「…それは事実かもしれないけど、それだけじゃないよね」

「…意味がよくわからないんだけど」

俺は、こっちを見ようともしない安室さんの目の前のカウンター席に移動した。

「この前、俺のこと“羨ましい”って言ってたよね」

安室さんの動きが、ほんの一瞬だけ止まる。

「そんなこと言ったかなぁ」

「言った」

分かりやすくとぼけようとする安室さんに、俺は即答した。