暗殺教室には降谷零の妹がいる ２ 【暗殺教室】【名探偵コナン】

story79＿＿本校舎 ページ34

期末テストが近づいていた。



前回の中間テストで2日前にテスト範囲を大幅に変更されるということがあり、殺せんせーも椚ヶ丘の厳しさを学んだらしい。



今回のテストでは、教科ごとに学年1位を取った人に、触手を1本破壊する権利が与えられる。


触手を一本失うだけで、殺せんせーのスピードは結構遅くなるんだとか。



暗殺を通じて勉強のやる気を向上させる。


とても上手いやり方だと思う。




放課後、磯貝君に誘われて本校舎の図書室へ来ていた。


カルマ君は帰っちゃったけど、カエちゃんや渚、奥田さんや中村さん、神崎さんも一緒だ。



詳しくは知らないが、椚ヶ丘の図書室の学習書の揃いはピカ一らしく、いつもは予約で席もいっぱいなんだとか。


ただ、磯貝君は期末を狙って前々から予約しておいたんだそうだ。



私は本を探すフリをして本棚の間をフラフラと歩き、そのまま図書室を出た。



…本校舎に入れる機会は、そう多くない。


広い校舎だから構造もまだよく分からないけど、とりあえず適当に廊下を歩いてみたかった。


…あわよくば、何か情報を入手できるかもしれないし。



それくらいの軽い考えだった。



だから、偶然通りかかった扉が開いて人が出てきたのには驚いた。



「……広瀬さん？」



相手も、本校舎の生徒ではない私の突然の登場に驚いたようだった。



「…せ、生徒会長………」



「…なぜ、E組の君が本校舎にいるのかな。
しかも理事長室の前だなんて、理事長に何か用事でも？」


「い、いえ…」



この人と会話するときはいつも敬語になってしまう。


多分、同い年に見えないからだと思う。



「用がないなら、少し僕と話そうか」


「…………はい？」


「調度いい時期だ。君と話がしたいと思ってたんだよ」



…全く意味が分からない。



彼は初めて話したときと同じ、貼り付けたような笑みを浮かべた。

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