story77__図星 ページ32
Aside
「藍李ちゃん、最近あの子と仲良いの?」
「えっ」
兄とカルマ君が店から出ていくと、梓さんが私にそう声をかけてきた。
店内には私と梓さんしかいない。
「もしかして、彼氏?」
「えっ…」
湯気が立つように顔が熱くなったのが自分でも分かった。
梓さんはそれを見るなり、ニヤリと口角を上げる。
「おっ、図星!?そっか〜」
「えぇ!?ち、違…っ!!」
慌てて否定の言葉を口にすると同時に、私は頬張っていたハムサンドを喉に詰まらせた。
「藍李ちゃん、大丈夫!?」
「だっ…大丈夫…」
どうにか胃へ流し込み、私は ふぅ、と息を吐いた。
「確かにあの子、結構カッコいいよね〜」
「その話はもうおしまいで……」
「えぇ〜。中学生の初々しい恋バナ聞きたいよ〜」
その後も、聞かせて聞かせて と粘る梓さんに、私は恥ずかしさで必死に抵抗し続けた。
「んー、じゃあ、これだけ聞かせて!」
「な……っ」
「キスとかもう…した?」
梓さんがそういい終えるとほぼ同時に、店のドアベルが鳴った。
「すみません梓さん。お店任せっきりにしてしまって」
「あら、安室さん。もうお話終わったんですか?」
はい。と安室スマイルを浮かべる兄の後ろから、カルマ君が店に入ってきた。
私は立ち上がってカルマ君の手首を掴み、千円札をカウンターに置く。
「ごちそうさまでしたぁ!カルマ君、行こっ」
「え、ちょ、藍李?」
そのまま逃げるように店を出た。
584人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» ………真面目ではない。断じて。 (2019年1月27日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» やっぱり真面目なんでしょうねぇー (2019年1月26日 0時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» 何なんでしょうねー(笑) (2019年1月25日 23時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» じゃ、なんなんでしょう??(( (2019年1月15日 6時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» それは“真面目”とは少し違うと思うんですけどねぇ…。 (2019年1月15日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ