story68__手当 ページ23
Aside
「…お兄ちゃん、何その怪我」
「あ、これ?…何って、別に大した事はないけど」
そう言って兄は自身の前髪をかき上げ、右額を指差した。
「流血してるの分かってる!?」
「…流血?」
嘘でしょこの人。
自分の額から血が出てることくらい、見えなくても気付いてよ。
「もう…。とにかくその血を止めるから、座って」
私はソファを指差した。
「…え、いいよ。手当は自分でするから」
「自分の流血にも気付かなかったのに?
…あ、邪魔になるからお兄ちゃんは前髪上げててよ」
どうにかして兄をソファに座らせ、
私はその正面に、兄と向かい合うように立った。
兄は私が指示した通り、渋々な様子で自身の前髪を上げた。
とりあえず血を拭きとって、アルコール消毒をする。
アルコールが滲みたのか、一瞬眉根が寄った兄に笑みを溢すと容赦なくスネを蹴られた。痛い。
傷口に合う絆創膏を探して貼り付け、一応手当は終了。
「はい、終わり。前髪もういいよ」
「…まさかAに怪我の手当てをされる日が来るとはな」
兄は前髪を押さえていた手を放し、私が貼った絆創膏を指で撫でて微笑んだ。
「お兄ちゃんがそんな怪我して帰ってくるなんて珍しいね。かすり傷とかは多いけど」
「今回のも、そこまで大した怪我じゃないだろ」
「そりゃあ、骨折とかに比べればそうだけど」
私だって、少しくらい心配してる。
「大丈夫。仕事のことでAに迷惑はかけないようにするから」
兄はそう言い、今度は私の頭を撫でた。
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卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» ………真面目ではない。断じて。 (2019年1月27日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» やっぱり真面目なんでしょうねぇー (2019年1月26日 0時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» 何なんでしょうねー(笑) (2019年1月25日 23時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» じゃ、なんなんでしょう??(( (2019年1月15日 6時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» それは“真面目”とは少し違うと思うんですけどねぇ…。 (2019年1月15日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
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