story59__前進 ページ14
『なんだこの前進守備は!!』
さっき、カルマ君がネチネチとクレームをつけていた理由の本質がやっと理解できた。
彼と磯貝君が立ったのは、バッターボックスの前。
「明らかにバッターの集中を乱す位置で守ってるけど、さっきそっちがやった時は審判は何も言わなかった。
文句無いよね、理事長?」
野球部側のベンチに向かってカルマ君は言う。
「ご自由に。選ばれた者は守備位置程度で心を乱さない」
野球部側のベンチからそんな声が聞こえ、カルマ君はニヤリと笑った。
「へーえ、言ったね。じゃ、遠慮なく」
その言葉を機に二人は更に前進。
爪先がバッターボックスにかかるほどの近距離まで詰め寄った。
普通なら、振れば確実にバットが当たる位置だ。
杉野君の球が二人の間から、キャッチャーの渚の元へ飛ぶ。
バッターが大きくバットを振る。
……それを、カルマ君と磯貝君はほとんど動かずにかわした。
…当たり前だ。
E組は常にマッハ20を相手にしていて、しかもこの二人は身体能力が高い。
カルマ君がバッターに何か声をかけ、杉野君が二球目を投げた。
腰が引けたスイングが当たり、高く跳ねた球をカルマ君が素手で取る。
そのままホームの渚に繋ぎ、三塁ランナーアウト。
続いて、渚の球が三塁へ回り、ボーッとしていた二塁ランナーがアウト。
三塁から球は一塁へ。
バッターは腰が抜けたのか走っていないため打者ランナーアウト。
トリプルプレー。3アウトだ。
『ゲ…ゲームセット…!!
…なんとなんと…、E組が野球部に勝ってしまった!!』
……こうして、常識外れの球技大会男子エキシビションは、E組の勝利で幕を閉じた。
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卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» ………真面目ではない。断じて。 (2019年1月27日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» やっぱり真面目なんでしょうねぇー (2019年1月26日 0時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» 何なんでしょうねー(笑) (2019年1月25日 23時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
絵奈(元Kanata(プロフ) - 卵符鈴さん» じゃ、なんなんでしょう??(( (2019年1月15日 6時) (レス) id: 2d41293e25 (このIDを非表示/違反報告)
卵符鈴 - 絵奈(元Kanataさん» それは“真面目”とは少し違うと思うんですけどねぇ…。 (2019年1月15日 0時) (レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
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