僕をふりまわすひと ニックン ページ17
僕はあなたの香りにドキドキして
若い男らしく
よこしまな期待を抱いていたけど
その夜
僕とあなたの間にはそんな気配すら漂わなかった
あなたは最初から最後まで映画に夢中で
僕に見向きもしなかった
いや
それ以下だ
その夜僕らが観たのは
あらゆる場面に伏線がちりばめられたサスペンスで
切ない恋愛映画でもあった
あなたは
どんな小さなヒントも見逃すまいと
食い入るように画面を見つめてて
(に)「Aヌナ…
飲み物もらってもいいですか？」
僕がそう聞いた時も
ストーリーを中断させたくなかったんだろう
「これあげる」
自分のビールを差し出した
挙句
間接キスにちょっとドキドキしつつも
僕がそれを飲みほすと
「……ニックン、冷蔵庫からビールとってきてよ
あとおつまみのスルメも」
僕を顎でつかいはじめた
そして自分がトイレに行きたくなると
「ちょっと待ってて、すぐ戻るから！」
平然と映画をとめたくせに
僕がトイレタイムを申し出ると
「えーーーーちょっと待ってよ、
今いいとこなんだから」
唇を尖らせて
「ちょっと我慢できない？？」
って言ったり
「無理！？ あーーもう、じゃあ早くして！！
十秒で戻ってきて！」
ってあり得ない急かし方してみたり
自分のことは棚に上げて言いたい放題なあなたに
(に)「…無理言わないでくださいよ
ほんと、ヌナって自分勝手ですね」
なんて悪態をつきつつも
「そうね〜、私いつも自分が一番なの＾＾
なにかしてあげるより してもらうのが大好き＾＾」
(に)「……ははは。羨ましい性格ですね」
僕はあなたとのそんなやりとりが
楽しくて仕方なかった
そして
「……ひっ、ぐす…」
想像を裏切るクライマックスとともに描かれた
悲しい恋の結末にあなたが泣き出すと
(に)「……ヌナ、泣いてるんですか？」
「うるさいなあ…こっちみないでよ…
ずび……っ」
(に)「……いい映画でしたね」
「……ゔん………」
(に)「…ティッシュいりますか？」
「……いる……ありがと……
でもタオルのがいい……」
その
涙でぐちゃぐちゃの子供みたいな泣き顔に
なぜか僕は完全にやられてしまったようで……
(に)「……わかりました、タオルですね」
そう苦笑して立ち上がった僕の胸にあったのは
この人の涙を優しく拭ってあげたいってことだけだった
よこしまな思いなんか
どこかへ消えていた
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yukichansung(プロフ) - loveyさん» ふふふ＾＾ニックン、がんばりますよ〜〜ｗｗ (2016年2月10日 6時) (
レス) id: 56c3c51e5c (このIDを非表示/違反報告)
lovey(プロフ) - おお〜スっごくいい雰囲気じゃないですか(=ﾟωﾟ)ﾉ (2016年2月10日 0時) (レス) id: 4da1284e21 (このIDを非表示/違反報告)
yukichansung(プロフ) - loveyさん» ひひひ＾＾ (2016年2月3日 6時) (レス) id: 56c3c51e5c (このIDを非表示/違反報告)
lovey(プロフ) - うふうふ(^^)何か進展あるといいですね。会えなかった事で逆にふたりの距離が縮まったのかな？ (2016年2月2日 23時) (レス) id: b8c5aa2b52 (このIDを非表示/違反報告)
yukichansung(プロフ) - loveyさん» えーと(;´･ω･)あんまり大したこと言ってませんｗｗでもニックンはがんばります！ (2016年1月25日 20時) (レス) id: 56c3c51e5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yukichansung | 作成日時：2015年11月21日 2時
