今何時？ 2PM！3 (ページ6)

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ぜんそくチャンソンページ6

お湯を張るために向かったバスルームからなかなか出てこないから

もしかしてA、
恥ずかしがってるのかなーなんて、

のんきに考えてたけど

バスルームの扉を開いた僕の目に飛び込んできたのは
洗面台の前で手をつき
少し背中を丸めて
苦しそうにしているAの姿だった

「A！？大丈夫！？」

僕の声に振り向いたAは

「大丈夫…」

そう言ったけど、咳こんで言葉を詰まらせた

かすれてうまくしゃべれないような声といい、
苦しそうに寄せられた眉根といい
青ざめた顔といい

少しも大丈夫そうじゃないのに

「大丈夫だから…。
薬つかったら、すぐに楽になるから…」って言って

Aはバッグの中から

小さなプラスチック器具みたいなものを取り出した

それが薬…？
ていうか、なんの薬？？
どこが悪いの…？？？

聞きたいことはいくつもあった
でも僕はただ見ていることしかできなかった

Aも、今は説明してる余裕なんてないんだろう

力の入らない足取りでふらふらとソファに身を沈めて

口元にあてがった器具を指で押した

カシュ…、カシュ…

薬剤が噴射される音だろうか

それを吸い込んだAは、深呼吸を繰り返した

僕は息を詰めて、
華奢な胸を大きく喘がせるAをじっと見つめてたけど

Aの言った通り
その後ものの二、三分で
苦しげだった表情が緩んできた

そして「ちょっとうがいしてくるねって」またバスルームに戻ったものの、
今度はすぐに戻ってきたA

「ごめんね、びっくりさせて」

僕を気遣いように笑う余裕もでてきたみたいだけど

立っているのはまだつらいんだろう、
Aはベッドに腰をおろした

僕もその隣に座る

「私、ぜんそくもちなんだ。

初めてチャンソンと会った時も、咳してたでしょ？

あんな感じで時々でるの」

Aの言葉に、ああ、そうだったと思う

あれがきっかけで、僕はAに声をかけたんだ

だけどあの時より、今日はずっと苦しそうだったし

僕は「ぜんそく」がどんな感じなのか、わからないから

「ほんとに、もう大丈夫？」

「よくあんな感じになるの？」

「横にならなくていいの？」

「病院には行かなくていいの？」

「ああいうとき、僕はどうしたらいい？」って、

聞きたいことが次から次へと浮かんできて

Aを質問攻めにしていた