悶々2 チャンソン ページ11
窓辺に移動して。
うろうろするのをやめて、
眼下できらきらと輝く夜の街を眺めてみたけど。
元々あれこれと考える癖があるせいか、
僕の悶々は止まらない。
まあ、僕がAにメロメロなのは仕方ないから。
それはよしとしよう。
だけどAからしたら、いい迷惑だったりして。
今日だってそうだ。
僕は日本での仕事が分かった時から、
やった！Aに会える！って浮かれてて。
Aも喜んで応じてくれるだろうって疑いもせず、
会う約束を取りつけたけど。
Aにしてみれば、朝から仕事して疲れてるのに、
夜遅くにこんなとこまで呼びつけられて。
おいしいものが食べれるわけでも、
どこかに出かけられるわけでもなく。
おまけにぜんそくまででて。
これじゃあ、余計に疲れにきたようなもんだ。
あ〜。せめてAが韓国に住んでたらなあ…。
そしたらもっと頻繁に会えるし。
Aにかける負担も軽くて済むし。
人目を避けることには変わりないけど、
デートだって、できなくはない気がするんだけど…。
でも…それって僕の身勝手、だよな〜〜……。
「は〜〜〜」
やっぱりじっと待ってるとダメだな。
運動でもしよう！
そうしよう！ それがいい！！
ってことで、僕はベッドの横で、
腕立て伏せを開始した。
だけどじきに服が邪魔になって。
シャツを脱いで、上半身裸になって。
今度は腹筋運動。
うん。やっぱり運動はいい。
黙々と体を動かして。
額にうっすら汗が浮く頃には、
余計なことを考えなくなっていた。
といっても、
それはAが風呂からあがってくるまでのこと。
「お先♪ボディソープとシャンプーありがとね」って。
洗い髪をヘアクリップで無造作に束ねて。
ほんのり上気したつるっつるの素肌に、
ずっと貸したままになってる僕のパーカー１枚という姿で
バスルームから出てきたAを見た瞬間。
「………！！！！」
…うわっ。なにそのかっこ…。
反則だよ、それ…。
か、かわいすぎる……///
パーカーの裾からのびる、
透き通るように白い素足や
普段あまり目にすることのない
ほっそりとしたうなじのラインに
僕の胸はまたざわざわと騒ぎだしていた。
そしてAも、僕を見るなり、
逃げるようにぱっと目をそらしたから。
僕のフラチな視線に気づいた？？って、焦ったけど…
違ったね。
「ちょっとーーっ！ なんで服着てないの！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yukichansung | 作成日時：2015年9月7日 1時
