5話 ずっくー ページ6
「おっはよーなのだ！」
異形型の人も使えるでっかくてBIGで大きな扉を開けて挨拶。誰からも返ってこなくてちょっとさみしい。でもこんなことでへこたれるようなお豆腐メンタルは持ってないから昨日の緑頭くんに話しかけに行ってみる。
「緑頭くーん、指ボロッボロだったけど大丈夫なのだー？」
「あっはい！ えーと裏界さん、じゃなくってパラさん……どうしたの？」
「キミの名前を聞いてなかったと思って。お名前は？」
「み、緑谷出久です……」
みどりやいずく。あーなるほど、デクってあだ名なんだ……考えた人あの爆発頭くんかな、結構ひどいからボクも別のあだ名考えよう！
「ずっくー、キミ“個性”の調整できないのだ？」
「ずっくー！？」
「キミのあだ名。でどうなのだ調整できるのだ？ ねえねえねえ」
知りたいと思ったら止まらない性分だから、申し訳ないとは思いつつも追及の言は止めない。
「あ、えっと、調整はまだ出来なくて……最近発現したばっかりで」
目線はボクから見て左上。瞬きが増える……わっかりやすい人だなあ。完璧に嘘だ。
悪い人には見えないから詳しく話せない事情はあるんだろうし、そこまで追及するほど悪い性格でもないけど一個だけ気になってるからカマをかけてみる。
「そりゃ大変だったのだ。最近オールマイト元気ないってウワサされてたから、もしかしたら分けてもらったのかもーなんて思っちゃったりしたのだ」
ずっくーが目を見開く。浮かんでいるのは驚愕と畏怖……そっか、大体分かった。時間をとってしまったことに謝罪してさっさと立ち去る。
超パワーの“個性”。人に言えない秘密。オールマイト。ならそれこそ……
「“個性”の譲渡、も可能性としてはありなのだ」
界隈では昔から噂されてることだ。オールマイトの“個性”は天候をも変える。だから複数の人間から分けてもらったのではないかと。ネットの掲示板で誰かがつぶやいた突拍子もない話。
でもボクはありえないとは思っていない。親から子に力は受け継がれる。血を介さなくても……それこそ個性因子を取り込めれば、“個性”は人為的に造れるかもしれない。
……もっと早く分かっていれば。
なんて言ってもしょうがない。過ぎたものは返らない。安心してね、ずっくー。ボクは口が固いから、キミの力のことをいたずらに喋らないから。
その力をどうか、人のために使ってね。
今は考える時間が欲しい、調べたいこともある。
……授業、サボるか！
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yui(プロフ) - ごまさん» ありがとうございます！ キャラ目線は結構考えて書いてるので、お褒めいただき嬉しいです！ (1月17日 16時) (
レス) id: e9850282aa (このIDを非表示/違反報告)
ごま - あっ…好きです。めっちゃ好きです。キャラ目線の書き方とか神ですか？とにかく好きです。推します。 (1月16日 21時) (レス) id: 9def695b19 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - まるさん» 私も書きながらときどき浮かんでます（笑）コメントありがとうございます！ 更新頑張ります！ (1月8日 13時) (レス) @page3 id: a2ad79a780 (このIDを非表示/違反報告)
まる - とても面白かったです！口調のおかげでどうしても緑のずんだが…… (1月8日 13時) (レス) @page7 id: b21609e0eb (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - カフカさん» ありがとうございます！ 今作のポイントはズバリ夢主ちゃんなので、そう言っていただけて嬉しいです！ (1月6日 8時) (レス) id: a2ad79a780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2024年1月5日 17時
