3話 パラ ページ4
グラウンドで突如始まったのは個性把握テストなるもの。まずいぞ、8種目“個性”を使い続けられる自信がない！ しかも最下位は除籍って……1日で除籍されたなんて言ったらお母さんが倒れちゃう！
出席番号順で最後の裏界さんが50m走を走り出そうとしている。厳しい先生にあそこまで言われた人。どんな“個性”なんだろう。
「よーい、ドン」
始めに見えたのは黄色の光。淡い黄色の膜が裏界さんの胸を中心に彼女の体を包む大きさになる。
瞬きした次の瞬間に見えたのは土埃。あれ、もうゴールしている。……全く見えなかった。
記録は0.11。異次元の速さだ、どうなってるんだ？ スピードを上げる“個性”だろうか……
「あの、“個性”って……」
気になったから話しかけてみる。変わった人だけど話が通じない人とは思わない。気分を害したかと少し不安になったけど、特に表情を変えることなく返事してくれたからホッとした。
「あーやっぱ気になっちゃう感じなのだ？ 自己紹介からさせてもらうのだ。ボクは裏界A。友達からはパラって呼ばれてるからそう呼んでくれると嬉しいのだ」
友達、入試の時に一緒にいた紫髪の男子だろうか。彼はいないみたいだけど……落ちてしまったのだろうか。差し出された手に一瞬戸惑って、握手を求めていると気づいて慌てて握った。柔らかい、小さな手だった。
さすがに初対面の女子をあだ名で呼べそうにはなかったからパラさんと呼ばせてもらうことにする。
「ボクの“個性”は
すごくざっくりした説明。それを証明するように、彼女の左手からさっきの黄色い膜が生まれる。気がつけば周りに何人か人が集まってきていた。
「この黄色い膜はボクの力が及ぶ範囲。大きさは自由に決めれるけど、大きいほど体力の消費が激しいのだ」
そう言った後、両手の手のひらを合わせて静かに呟く。
「
スタスタと歩いていってパラさんが握力計を握る。
次の瞬間信じられないことに、硬い金属の機械がぐにゃりと捻じ曲がって、機械がエラー音を出す。僕より小さな体、細い腕なのに。
「こんな風に、パワーやスピードを無理やり与えたり、シンプルに物を作り出すことができるのだ」
まぁ、それだけじゃあないけれど。と付け足す彼女が浮かべる笑みは、どうしてか怖かった。
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yui(プロフ) - ごまさん» ありがとうございます！ キャラ目線は結構考えて書いてるので、お褒めいただき嬉しいです！ (1月17日 16時) (
レス) id: e9850282aa (このIDを非表示/違反報告)
ごま - あっ…好きです。めっちゃ好きです。キャラ目線の書き方とか神ですか？とにかく好きです。推します。 (1月16日 21時) (レス) id: 9def695b19 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - まるさん» 私も書きながらときどき浮かんでます（笑）コメントありがとうございます！ 更新頑張ります！ (1月8日 13時) (レス) @page3 id: a2ad79a780 (このIDを非表示/違反報告)
まる - とても面白かったです！口調のおかげでどうしても緑のずんだが…… (1月8日 13時) (レス) @page7 id: b21609e0eb (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - カフカさん» ありがとうございます！ 今作のポイントはズバリ夢主ちゃんなので、そう言っていただけて嬉しいです！ (1月6日 8時) (レス) id: a2ad79a780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2024年1月5日 17時
