158話 任務参観 ページ10
Aサイド
伊「……つまり、近年多発してた呪具の盗難の犯人である可能性が高い、と」
『はい。いくつか高専の倉庫で見かけた物もありました』
呪具の盗難。もちろん重罪だ。
一つ一つの呪具が高価であることももちろん、強力な呪具が呪詛師側に流れたらとんでもないことになる。
伊地知さんに手渡されたタブレットで、呪詛師御用達の裏サイトを確認する。
……やっぱり。相当数が売り捌かれている。
今売られているのは10にも満たないが、販売しているアカウントの履歴にはかなりの量の呪具が記録されていた。
値段が記憶にある呪具だけでも、被害総額は4億円超。
ただの調査任務が、呪術界を揺るがす大事件に変貌を遂げた。
五「……ヤバいことになったね。御三家の忌庫からも盗まれてるんなら大事だ。
伊地知、既に売買契約が結ばれている呪具のリストアップ。なる早で」
伊「はい」
五「A、悪いけど明日そのもう一つの残穢の方をたどってくれ。
これ以上の損害が出る前に、早めに叩き潰す」
『了解。今
忌庫の中身がちゃんと揃ってるか調べてくれるって』
五「OK。ありがと」
それだけ言い残して、兄は小走りに駆けていった。
もう一つの残穢が伸びていた方は南西だから、多分札幌。
呼び出して殺すタイプなら、足跡が辿られにくい都市部の方が得策だ。
ただの旅行なのか、事件に巻き込まれたのかが分かりにくくなる。
ぐるぐると思考を巡らせながら部屋に向かっていると、瀬呂さんとすれ違う。
瀬「あれ、五条。任務終わったの?」
『微妙なとこです。思ってたより厄介で、明日も出払うことになりました』
瀬「へー……あ、そうだ」
そう言葉を止めて、こっちを見た瀬呂さんが、とんでもないことを口にする。
瀬「俺もさ、ついてっていい?」
『……はい?』
五「……つまり、呪術師の世界を経験することでより理解を深めたいってことね。
いーよ! 行ってきて!」
『マジで?』
非術師を同行させるだなんて聞いたことない。
呪具の窃盗をやってのけるんだから決して弱くはないだろうし、若干不安。
五「うん。だってA強いじゃん」
信頼してくれてるのは嬉しいんですけどね。そういう問題じゃないんだと思うんだよ。
反論するも虚しく。そもそも兄が素直に聞いてくれるわけない。
五「真希が予備のメガネ貸してくれるって言ってるし。行っといで」
八月某日。瀬呂さんの任務参観が決定……したらしい。
159話 札幌という街の特殊さが→←157話 任務、お前もう絶滅しろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1574人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yui(プロフ) - ゆうさん» 私も愛してます！！((((ありがとうございます！ 一回書き方の修正入れるかもなんですが……やっぱり台本書き文字数食うのでチートと揃えようかと。テスト明けにやる予定です！ (9月7日 17時) (
レス) id: 273fd39d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 更新楽しみにしてます！！夢主じゃないのほうもだけどこっちも大好きです！！！！愛してる！！！！ (9月7日 10時) (レス) id: 93da094e66 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - ありがたやぁ〜 (8月18日 15時) (レス) @page5 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 寝子／猫さん» 相当嬉しいですねそれ！ 私が北海道大好きなので、せっかくならそっちを舞台に書こうかなーと思って書きました！ (8月18日 7時) (レス) id: 02206b89b3 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - 道民からすると推しが北海道来てくれるぐらい嬉しい！！ (8月17日 22時) (レス) id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2023年8月14日 10時
