165話 分かってなかったんだ ページ17
瀬呂サイド
月並みな感想だけど、綺麗な人だと思った。
俺らが手も足も出なかった呪霊を、いともたやすく祓うその強さが鮮烈だった。
一目惚れだった。もしかしたら、なんて淡い期待は打ち砕かれたけど。
だって俺は、五条の嫌いな人間と同じ尺度で生きている。
誰もを救える強さがあるわけでもないのに、切り捨てる冷酷さを持ち合わせない。中途半端なんだ、きっと。
規則的に揺れる列車の中で、自己嫌悪と言い訳を混ぜて二で割ったような感情が、澱のように体を蝕んだ。
わかってなかったんだ。わかったふりをしていたんだ。
分かるはずが、なかったんだ。
そもそも、住む世界が違うんだから。
ヒーローと呪術師。似て非なる者たち。
その差がありありと見えてしまうのは、俺が弱いからだろうか。
中途半端な優しさを持ってしまったからだろうか。
五条Aは、おとぎ話のお姫様みたいな人じゃない。
お人好しではないし、使えるものはなんでも使う。
本当に強い者は、毒でも棘でも美しく纏う。
だからこそ、現実味を帯びた強さが美しかった。
本人は気づいてるんだろうか。
呪詛師の首を切ったあと手が震えていたことに。
血飛沫を思い出す。事切れる直前の表情と、断末魔が脳にこびりついて離れないような気がした。
吐き気がせり上がってきて、思わず口を手で押さえた。
きっとあんなこと誰もしたくない。させたくない。
呪術師はきっと、優しい人が多いんだろう。
誰かを殺すことで社会が守れるなら、自分が血に濡れれば他の人が傷つかないなら。
笑顔で泥をかぶるような、そんな人たちなんだろう。
駅に着いた。一人で坂道を上る。
西の空が赤く燃えていて、雲の陰が流れていた。
東から迫る夜の中に、ぽっかり月が浮かんでいた。
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yui(プロフ) - ゆうさん» 私も愛してます！！((((ありがとうございます！ 一回書き方の修正入れるかもなんですが……やっぱり台本書き文字数食うのでチートと揃えようかと。テスト明けにやる予定です！ (9月7日 17時) (
レス) id: 273fd39d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 更新楽しみにしてます！！夢主じゃないのほうもだけどこっちも大好きです！！！！愛してる！！！！ (9月7日 10時) (レス) id: 93da094e66 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - ありがたやぁ〜 (8月18日 15時) (レス) @page5 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 寝子／猫さん» 相当嬉しいですねそれ！ 私が北海道大好きなので、せっかくならそっちを舞台に書こうかなーと思って書きました！ (8月18日 7時) (レス) id: 02206b89b3 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - 道民からすると推しが北海道来てくれるぐらい嬉しい！！ (8月17日 22時) (レス) id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月14日 10時
