64話 体育祭XIX ページ20
爆豪は静かに息を吐いて、ポツリと呟いた。
「テメェら、何なんだ」
心の底から絞り出したようなその一言は、どこか哀愁すら感じさせる。普段の様子からは考えられないほど静かな、いや弱々しい声だった。
「何、ってのは？」
粗方の予想は付いていたが、確証が持てないため問いかける。すると、爆豪はこちらを軽く睨み口を開いた。
「五条の事だ。あいつは、俺の……俺らの遥か上を行ってる。気に食わねえが事実だ。だからこそ腹立つんだよ」
やっぱりな。
Aは生来の強力な術式と膨大な呪力のおかげで、術師の中でもトップクラスの実力を持っている。それだけじゃない。抜群の応用力、それらをフル活用できる頭脳。
呪術師なら誰だって分かる。
五条Aは天才だ。
でも、ヒーロー達にはそんなこと分からない。才能だけでなく、努力で強さが決まるヒーローには。一歳年下、しかも女のAが自分よりも強いことが、コイツには不思議なんだろう。
思考を巡らせていると、また爆豪が口を開く。
「さっきの試合で五条が真似した半分野郎の技。五条は何でもねえようにやってたが、半分野郎はあれの習得にとんでもねえ時間をかけてた。
いつだってあいつはそうだ。俺らが積み重ねた努力を、すぐに超えやがる。それだけならまだ良い。でも、アイツはヒーローが嫌いだって言ってやがった。
嫌いならなんでここにいんだよ。
何で俺らの前に立つんだよ」
苦々しげに呟く顔には悔しさが滲んでいた。その表情を見ている内に分かった。
こいつには、理解できないのだろう。
何でAがあれだけの実力を持っているのかを。
こいつには、きっと分からないのだろう。
どんな気持ちで俺らがここにいるのかを。
こいつは、まだ知らないのだろう。
Aが積み重ねた、途方もない努力と葛藤の数を。
別に俺は、Aから懇切丁寧に教えられた訳ではない。でも、見ていれば誰にでも分かる。
あの実力は、血反吐を吐く努力の果てについて来た事。
微細だとしてもヒーロー達と関わろうと努力している事。
ヒーローの子供ながら呪術師として生きる矛盾に悩み続けて来た事。
だから。
「お前、本気でそれ言ってんのか？」
俺はAを肯定する。
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yui(プロフ) - 第三弾はまだ作成中となっています。今日中にパスワード解除しますので、もうしばらくお待ちください。楽しみにしていただいてありがとうございます！！ (2023年2月5日 6時) (
レス) id: 8606fea28c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - いつも楽しく見ています！失礼ですが第三弾パスワードはどうしたらわかりますか？ (2023年2月5日 0時) (レス) @page37 id: 8d3847b149 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 初コメ失礼します。第三弾パスワードってどうしたらわかりますか？ (2023年2月4日 22時) (レス) @page37 id: 853b88f4af (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - yuiさん» 二リットル！？どうせなら二十リットル...((((相手にはできないのか...はっ、気づかれないようにザリガニでも忍ばせれば...(((((続き楽しみにしてます！ (2023年1月20日 21時) (レス) id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 猫狗さん» ええ実行しましたよ２Lってところがポイントです(((((お相手にはできないんですねそれが･･････ 理由は次回の投稿で！！ (2023年1月19日 18時) (レス) id: eb54d0122a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2022年8月4日 18時
