62話 体育祭XVII ページ17
渾身の膨冷熱波を放った俺は、正直限界ギリギリだった。ステージ上にはまだ煙がもうもうと立ち込めている。五条の姿は見えない。……勝ったのか？
プレゼントマイクの実況が会場に響く。煙が晴れるまでは勝敗の判定はつかないらしい。「轟の勝ち確だろ」と、誰かの声が聞こえた。
まだ分からないと頭では考えながらも、思わず緊張が解ける。
違和感を感じたのは、その時だった。
目の前に広がる煙。なんで消えない？
まずい、左半身を前に腰を落とす。俺が警戒した瞬間、あれだけ立ち込めていた煙が、まるで爆発したかのように掻き消えた。
そして、爆発の中心に居たのは。
「……五条」
鋭く蒼い眼光を放つ、五条Aだった。
会場中が静まり返り息を呑む。
そこからはもう、一方的な暴力とも言えるほどの蹂躙。文字通り一瞬で俺との距離を詰めた五条は、俺の鳩尾に向かって拳を放つ。体はいとも簡単に吹っ飛び、場外へ。
鈍い音を立てて俺は競技場の壁に激突し、意識を失った。
私が焦凍兄を吹っ飛ばした後少しの間、会場は静かだった。今起こった事は夢か幻だとでも言いたいようだった。
「と、轟君場外。五条さん、3回戦進出……」
うわごとを漏らすように勝敗を告げるミッドナイト。だいじょぶ？ めっちゃぼんやりしてるけど。
「……げ、激闘の2回戦第二試合を制したのは、A組、五条A〜……」
ようやく我に返ったプレゼントマイクの実況も元気がない。普段からこれぐらいの声量だと嬉しいな！
取り合えず焦凍兄の元に向かい、反転術式で怪我を治す。だいぶ酷くぶっ飛ばしちゃったからね。これぐらいはしとかないと。
焦凍兄を治した後、すぐに兄達のいる席へ戻る。
「お疲れ〜」
「心配しないで見ていられたよ」
「よくやったわ！」
と、皆がお祝いの言葉をかけてくれる。
へへへ、頑張って良かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1081人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yui(プロフ) - 第三弾はまだ作成中となっています。今日中にパスワード解除しますので、もうしばらくお待ちください。楽しみにしていただいてありがとうございます！！ (2023年2月5日 6時) (
レス) id: 8606fea28c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - いつも楽しく見ています！失礼ですが第三弾パスワードはどうしたらわかりますか？ (2023年2月5日 0時) (レス) @page37 id: 8d3847b149 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 初コメ失礼します。第三弾パスワードってどうしたらわかりますか？ (2023年2月4日 22時) (レス) @page37 id: 853b88f4af (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - yuiさん» 二リットル！？どうせなら二十リットル...((((相手にはできないのか...はっ、気づかれないようにザリガニでも忍ばせれば...(((((続き楽しみにしてます！ (2023年1月20日 21時) (レス) id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 猫狗さん» ええ実行しましたよ２Lってところがポイントです(((((お相手にはできないんですねそれが･･････ 理由は次回の投稿で！！ (2023年1月19日 18時) (レス) id: eb54d0122a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2022年8月4日 18時
