【アイナナ】アニメヲタクの初恋-3 (ページ35)

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しばらく百さんと談笑し、私たちは会場を後にした

ちょうどお昼過ぎだったこともあり、私たちは近くのレストランに入った

『何食べる？』

「維は？」

『私はハンバーグにしようかな』

「じゃあ俺も」

あ、同じのにするんだ…

環くんの行動に少しドキッとしてしまった

環くんもハンバーグが食べたかったんだと言い聞かせ、あまり深く考えないようにした

店員さんに注文をし、料理を待つ

なかなか会話が見つからなくて、長い沈黙が流れる

何か話題…

「春川…だっけ？来た？」

沈黙を破ったのは環くんの方だった

『う、ううん…。来てないよ』

「俺らからしたら許せねぇ最低なクズだけどさ、あんたからしたら違うんだろ？」

『私からしたら…』

私だって一生許せないけど…

『桜は私の唯一の親友だったから…。謝られても許したくないし、許せないと思う。だけどやっぱり私にとっては大事な友達だったからさ』

環くんはう～んと難しい顔をしている

『おかしい…よね…』

そう言って、ハハっと軽く笑ってみた

「俺にはわかんねーけど、それは人それぞれじゃん？」

そう言って、コップの水を一気に飲み干す環くんを黙って見つめた

「あんたがそうしたいって言うならそれでいい。ただ俺は許さないからな」

環くんの言葉に小さく頷くと、タイミング良く頼んだハンバーグが届いた

「きた！うまそ！いただきまーす！」

パクパクとハンバーグを口に運んで行く環くん

その幸せそうな姿に目が離せなかった

「ん？食わねーの？」

『た、食べるよ…！』

私のハンバーグに手を伸ばす環くんを阻止し、私も食べ始めた