【アイナナ】アニメヲタクの初恋-3 (ページ34)

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「泣き過ぎ…」

上映会が終了し、キャストを待つ

途中から大号泣だった私に環くんは若干引いていた

『だって…』

それでも私の涙はなかなか止まらず、それを見ていた環くんは呆れながら笑っていた

しばらくして百さんと他の役者さんが登壇し、キャストのフリートークが始まった

百さんは時に面白可笑しく、時に真面目にお話していて、終始楽しい時間を過ごすことが出来た

全てが終わった頃、百さんから環くんに連絡が入った

「楽屋に来いってさ」

『私たちが行っていいの？』

「来いって言うからいいんじゃね？」

とりあえず百さんが言うには、スタッフや警備員には伝えてあるとのこと

私たちは言われた通り、百さんの楽屋に向かった

コンコン

「はいはーい！」

楽屋を見つけ、ドアを叩くと中から元気の良い百さんの声が聞こえた

「失礼しまーす…」

「環！妹ちゃん！来てくれてありがとう！」

『こ、こちらこそ招待して頂き、ありがとうございました…！』

実写版むっくんが目の前にいて、百さんには数日前に会ったはずなのに、映画を見終えた後で変に緊張していた

「それでどうだった？」

「維、ずっと泣いてた」

『いや…、本当に感動しちゃって…。百さんが本物のむっくんに見えたし、ヒロイン役の光さんもすごく役に合ってて…』

話している内にまた涙が出そうになった

「そう言ってくれると、頑張って良かったって思うよ。今日はマネ子ちゃんが来ると思ったけど、環と来たんだね！」

「マネージャーに急に呼び出されたと思ったら、映画一緒に観てきてって頼まれた」

『お姉ちゃん、急に仕事入っちゃったみたいで…』

「へぇ～…」

百さんは怪しげに微笑んでいた

何が言いたいかは何となくわかった

でも恥ずかしくて、それ以上は聞かなかった