【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ38)

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「では三月さん、私は別な打ち合わせがありますので後はお願いします」

『…お姉ちゃんっ？！』

ドアを閉めてこちらに目をやるお姉ちゃんは一瞬目をしかめてハッとした

「もしかして…維？！」

『あ、ははは…恥ずかしいとこ見られちゃった…』

苦笑いで言葉を失うお姉ちゃんに何て言ったらいいかわからなかった

「このイベントのアルバイト？言ってくれればよかったのに…」

こんな格好してるんだから言える訳ないじゃないっ！

『ごめんね！で…三月くんイベントに出るの？』

「そうだよ、劇場版まじかる☆ここなの王子様役に選ばれたんだよ」

王子様役を三月くんが…

まさか幼馴染がアニメの声優として活躍するとは思ってもいなかった

これからバイトもしづらくなるかも…、なんてことを考えていたらお姉ちゃんが楽屋の方を指差した

「三月さんに挨拶しない？」

『え…、遠慮しておくよ…。三月くんも忙しいだろうから…』

そう？と首を傾げてると後ろから聞いたことのある声が聞こえてきた

「ナギ、買い過ぎだろ。またミツにダストボックスシュート食らうぞ？」

「それは困りますっ！ダストボックスシュートはもう懲り懲りなので、ちゃんと整理して置いておけば、ミツキも何も言わないはずです！」

その声に反応したお姉ちゃんはその人たちのそばに駆け寄る

後ろを振り向くと先程の蒼目の美青年と眼鏡の彼だった