【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ31)

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7-7 一織side ページ31

『四葉さん、あんなに人が集まってるところで特定の女性と会話してたら大騒ぎになるじゃないですか。それにお弁当を受け取るだけでは、彼女が作ってきたみたいに捉えられてもおかしくありません』

四葉さんを自分の席まで強引に連れて行き、掴んでいた手を離して伝えた

「知らねーよ。いおりんはいいのかよ」

彼の言い分もわかりますが…

『私と彼女は幼馴染で定着しています。そして彼女はアニメ好きで有名です。いくらマネージャーの妹でもそんな彼女と四葉さんが普通に会話してるなんて周りが不思議がるのも当然です』

「維ってマネージャーの妹なの？」

彼の質問に疑問符が浮かんだ

『え、四葉さんはそれを知らずにどうやって彼女と知り合ったのですか？』

「屋上で会って、助けてもらった」

屋上で何があったのでしょうか…

『えっと…降りられなくなったとか…ですかね？』

「違う。屋上で初めて会って、帰りにファンに囲まれてるとこを助けてもらった」

彼女は何をやってるんですかね…

「誰かに似てると思ったら、マネージャーだったんだな」

彼はほーほーと納得している

だから今朝、女子生徒が四葉さんのことを言っていたんですね

時、既に遅し…ですか…

『四葉さん、あまり特定の女子生徒とは仲良く話してはいけません。マネージャーや事務所の為にも、私たちIDOLiSH7の為にもですよ。今はとても大事な時期です。よろしくお願いします』

彼に下心などはないはずだが、アイドルの前に一人の高校生だ

どこで心に変化を付けるかわからないだろう

ましてや維さんに下心を持つ…

そんなこと考えたくもありませんね

だが…

「幼馴染は良くて友達は駄目って意味がわかんねーよ。男だろうと女だろう話したいやつと話して何が悪い」

彼には伝わらなかった

『わかってください。四葉さんはそういう下心がなくても、相手はどう捉えるかわかりませんし、周りの生徒達もSNSなどでどう書いて、マスコミに伝わるかわからないんです』

「それはいおりんも同じじゃんか」

彼がそう言い放った直後に4時間目開始の鐘が鳴った

生徒達は自分の席に戻り、先生が教卓に立つ

彼にどう言えば理解してくれるのか、時間が必要だと思った

だからと言って、何日も考えてる余裕はない

私一人で伝えるには難しいのかもしれない

事務所に行ったら相談してみよう