【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ26)

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「維さん、おはようございます」

落ち着いた声に振り向けば、そこには一織が立っていた

『い、一織、おはよ～…』

「どうかされましたか？」

何食わぬ顔で聞いてくるが、周りの目はさらに鋭いものになっているのがわかる

『いや、何でもないよ…？あはは…』

引きつった笑顔で答えるが、何かを察したのか辺りを見合わし始めた一織

「何の騒ぎですか？春川さん、何があったんです？」

私を問い詰める桜に矛先が変わったが、その質問に対して答えたのは周りにいた女子生徒だった

「ねぇ一織くん、小鳥遊さんとどういう関係なの？社長の娘だから仲良くしてるだけだよね？環くんもそうなんでしょう？」

あまりに皮肉たっぷりの質問に私は呆気に取られてしまった

「私と彼女は事務所や社長どうこうの前に幼い頃からの友人です。四葉さんがどうかわかりませんが、友人と会話することの何がいけないのか、逆に説明して頂きたいのですが」

一織節、炸裂してますね…

きっと私をフォローした訳ではないのだろうが、女子生徒はその言葉に返すこともできず、苦い顔をしながら去っていった

『一織、ありがと』

「別に本当のことを言ったまでです。そろそろチャイムがなります。早く教室に戻ったらどうです？」

『はいはい、じゃあね～』

私は状況を読み込めていない桜を連れて教室に入った