【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ21)

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桜と別れて、1人トボトボと歩く

難しいことは帰ってから考える

そう決心して前向く

が、向いた先には女子高生数人の塊

『最悪…』

道の真ん中でキャーキャーと騒がしい

関わりたくもないので、遠回りして帰ることにした

「維！」

来た道を戻ろうと回れ右して歩き出した瞬間、背後から名前を呼ばれた気がして振り返る

そこには女子高生に囲まれている環くんがいた

離れろ、と女子高生の渦から脱出しようとしている

この状況はどうすれば…

環くんを助けてあげたい気持ちは山々だったが、お腹を空かせた野獣みたいなの数人相手に敵う訳もない

それに正直巻き込まれたくない

遠くから傍観していると環くんと目があった

あまりにしつこい女子高生と本当に嫌がっている環くんの表情を見て、何か方法はないかと考えた

『…あ、あれってRe:valeの百じゃない？！』

最近覚えたアイドルの名前を借りて叫んだ

明らかに百さんではない人が歩いていたが、それに反応した女子高生たちは一斉に私が指差した方に顔を向けた

『…今だっ！！』

そのスキをみて私は無我夢中で環くんの腕を引き、走り出した

後ろから女子高生たちの騒ぐ声が聞こえる

今日は朝からずっと走ってるな…

なんて考えながら無言で走る

環くん、腕痛くないかな…

どんな顔してんだろ…

女の子たちからの恨み怖いな…

こんなことするんじゃなかった

だけど環くんと一緒にいれる

気持ちが複雑過ぎる