【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ16)

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その気持ちが表情に出ていたのか、環くんは不思議そうに私の顔を覗いた

『…ごめん！おかしくて笑ってた…とかじゃなくて、いや…、あの…、その…』

真剣に話してくれてるのに、私最低だな…

「んーん。別にいい」

そう思っていたが、環くんは予想外にも気にしてない様子で、少しだけ微笑んでいた

その横顔から目が離せなかった

それに気付いた環くんがこちらを振り向き、目があった

やっぱり…好きなのかも…

「なんか、あんたと話してる落ち着く」

『え…』

その言葉にドキッとした

どんな顔でどんな反応をしていいのかわからず、驚きを隠せずにいると環くんはぐっと私に顔を近付けてきた

ち、近い…

「あんた、誰かに似てる」

『…似てる？』

環くんの言動1つ1つに驚かされて、心がついていかない

『え、誰に…？』

「んー、わかんない。でもすごく近い人」

環くんは難しい顔をしながら私の顔を見続けている

目そらせない…

っていうか、心臓もたないよ！！

恐るべし3次元男子

今までリアルな男性なんてあり得ないと思っていたが、2次元とはまた違ったカッコ良さに私は心を奪われていた

キーンコーンカーンコーン…

1時間目終了のチャイムが鳴る

環くんはそれに反応し、私から目を離した

「戻んねーと」

『そう…だね』

名残惜しくそう一言呟くと、環くんは3mはある高さから軽々しく飛び降りた

『すごいな…』

環くんは降りた位置でこちらを振り向き、得意げに笑った

「誰に似てるかわかったら言う」

『あ、うん！』

そう言うと環くんは手を振りながらドアの方に歩いて行った

「じゃーな、維。気をつけて降りろよ」

バタン

ドアが閉まり環くんの姿が見えなくなった後、私はその場に寝転んだ

今の1時間が夢だったかのような感覚

い、今維って名前呼んでくれた…？！

環くんとの会話を振り返り、あの時一目惚れしたことを再確認した

やっぱりこれは恋なんだ

環くんの顔を思い出すと顔がニヤけてしまう

感情を抑えられない…

キーンコーンカーンコーン…

2時間目の予鈴がなる

『やばっ！数学は出ないと！』

私はその場から梯子を使って降り、再びダッシュで教室に戻った