【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ14)

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足を投げ出して座っている、本当にダルそうな環くんを見ていると、ふとある物が目に付いた

『そのキーホルダー、王様プリンだよね？』

環くんが手に持つ携帯電話に以前コンビニでもらった王様プリンのキーホルダーがぶら下がっていた

「これ？この前王様プリン買いに行ったコンビニでもらった。5個買ったから2個もらったんだけど、1個はそーちゃんにあげた」

あのコンビニで王様プリンを買った人にしかわからない説明だが…

『そうなんだ。私も持ってるよ！環くん、覚えてないかもしれないけど、それもらった時にコンビニで環くんと会ってるんだよ』

「そうだったっけ？悪い、全然覚えてない」

『そうだよね、あははは…』

会ったとも言えるかどうかだもんね

あれだけで覚えてる方も珍しいか

「あんた、王様プリン好き？」

『あ、うん！好きだよ』

「王様プリン、美味いよな。俺、すげー好き」

『そうなんだ！王様プリンってちょっと他のプリンより高いけど、それでも味は文句なしに美味しいんだよね！』

「そう！まじであれ作った人天才だよ！あんたわかってんじゃん！」

あんなに無表情だったのに、こんなにキラキラした笑顔で話すなんて…

恐るべし、王様プリン！

ニコニコしながら王様プリンの話しをしている環くんを微笑ましく見ていた

「そーいえば、あんた名前は？」

『維です』

「維か、あんたとは気が合いそうだ」

『そう言ってくれると嬉しいよ』

一目惚れしたかもしれない相手にそんなこと言われるなんて…

サボってラッキー！

心の中で何度もガッツポーズをした

そんなことを考えてる私はどんな顔をしていたのか、環くんは不思議そうにこちらを見ていた

変な顔してたかな…

すると環くんは自分の座る横をポンポンと軽く叩いた

『…ん？』

「こっち、来れば？」

…えぇ？！

確かにずっと見上げていたので首が疲れていたところだった

『行っていいの？』

「うん。風、気持ちいいから」

私は動揺する心を落ち着かせ、一番高いところに昇る梯子に手をかけた