2日目�� ページ27
猗窩座が泣いていた
猗窩座が苦しんでいた
私も
猗窩座を助けたいと思った
でも
伸ばした手は突き放された
｢グッ……！ッカハ……！｣
壁に激しく背中を打ちつけたせいで
上手く息が出来ない
(急に……どうして……)
さっきまで
柔らかく
暖かい
脆く
切ない
本当に上弦の鬼なのかと疑うような空気を纏っていたのに
今は
ただ冷たく
他を寄せつけない
殺意すら感じさせる凍てついた空気
名前を呼ぶ事など許されない
手を伸ばせば切り落とされそうな威圧感
(これが、本当の猗窩座なの……？)
くるりと猗窩座が振り向いた
青い瞳は
暗く澱んでいる
猗窩座｢…………近づきすぎた｣
｢……え…？｣
猗窩座｢俺は鬼、お前は人間。元々は相容れない関係なのに、何故お前は俺の心に踏み込んでくる……？｣
｢私が？｣
いや、むしろ猗窩座が私の方に踏み込んできてるけど
私は昨日から
猗窩座の行動と言葉に振り回されっぱなしだ
猗窩座｢俺は……もうやり直せない｣
そう吐き捨てて
猗窩座は私から距離をとった
壁際に座り目を瞑る
(やり直す…………？)
猗窩座の言葉は
とても難解な迷路のように入り組んでいて
どうしたら解けるのか分からない
解いていいかも分からない
(はぁ……なんなんだよ……)
今日は、いや今日も
色々あり過ぎて疲れた
猗窩座はこれ以上近づいて来なさそうだし
話しかけられる雰囲気ではないし
瞑想でもして
呼吸を整えよう
そのまま壁に寄りかかり
集中して呼吸を身体の隅々まで行き渡らせる
(あちこち痛いけど……骨は大丈夫……出血も……内臓も無事か……)
毒の影響もあまり無いようだ
たいした毒じゃなくて良かった
いつも師範に言われていた
『お前は警戒心が足りねぇ!!』
はい、今まさに痛感しています
『何でもかんでも受け入れるな！少しは疑え！考えろ！無条件に優しさを振りまくな！』
『おまえはな、優しすぎる。受け入れすぎる。その内受け入れた気持ちの重さに耐えきれなくなって潰れるぞ』
最初は警戒してたんですよ……
でも
手が優しかったんです
瞳が揺れていたんです
腕が震えていたんです
助けてくれたんです
近づきたいと思ってしまったんです
師範……どうしたらいいですか……？
『自分で考えろ！』
思い浮かぶ師範はいつも厳しい
その愛ある厳しさが懐かしい
眠い……
『警戒しろって言ってるそばから寝るな！』
分かってますよ……でも……少しだけ…………
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ゆあな(プロフ) - てふてふさん» てふてふさん(^^)コメントありがとうございます！私も無限列車編を見て鬼滅熱が再び燃えております(｀･ω･´)読んでいただけて嬉しいです(*^^*) (2021年9月27日 19時) (
レス) id: c561953436 (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ - 完結から時間が経ってからのコメントで申し訳ないですが、無限列車編TV放送で再燃して読ませていただきました！ぽろっと涙が溢れるストーリーと、裏シーンはどきどきが止まらず本当に腰が砕けそうでした……！続編含め、素敵な作品をありがとうございました！ (2021年9月27日 14時) (レス) id: 2bb0e08beb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まりも。さん» まりも。さん(*^^*)なんて嬉しいお言葉…涙出るくらい嬉しいです！ありがとうございます(T^T) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。(プロフ) - もう何度こちらの作品を読んだことでしょう。大好きが止まりません(作品も猗窩座も) (2021年2月24日 13時) (レス) id: 1dc894a7c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まゆまゆさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も猗窩座大好きなので、ホントに私の欲望と願望を詰め込みました(笑)現実になってほしい…(o´艸`) (2021年1月27日 12時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあな | 作成日時：2021年1月11日 20時
