蛇柱が吸血鬼?!�� ページ33
鏑丸の鋭い牙が
私の指の皮を傷つけて
血が流れる
その血を見た伊黒さんの目が
チリッ…と光る
『無駄に血を流すな……畳が汚れる』
私のせいじゃないんだけどな
ゴソゴソと懐紙を取り出して
血を拭う私を見ながら
伊黒さんがため息をつく
『チッ…早く来い』
言い捨てて伊黒さんが自室へ向かった
慌ててその背中を追う
伊黒さんの部屋は
いつも少し暗い
空気も何だか重くて
部屋に入ると身体と心が暗く沈む
きっとこの空気は
伊黒さんの過去に関係している
この仕事を受ける時に
少しだけ
お館様から教えてもらった
子どもの頃に
死にたくなるような恐ろしい目に遭ったと
それが伊黒さんの心に大きな傷を残しているのだと
そして口元の包帯は
決して消えない置き土産
触れてはいけない
伊黒さんの過去の傷痕
伊黒さんは怖いけど
ネチネチ言うから面倒な時もあるけど
嫌いじゃない
それは同情とかではなくて
死んでしまいたいような過去があったのに
今は柱として弱い人たちを守っている
その心を尊敬しているから
だから
早く蜜璃さんとくっつけばいいのに
そしたら
このどんよりした空気も
少しは晴れるんじゃないだろうか
そんなことを考えながら
部屋の入り口で立ち止まっていると
『チッ…』
本日２回目の舌打ちをいただきました
『早く来いと言っている。お前は耳が遠いのかそれとも亀か』
｢す、すみません…｣
ネチネチ長話が始まる前に慌てて謝って
部屋に入る
途端に
空気の重さに押しつぶされそうになった
なんだ…今日はいつにも増して空気が重くて苦しい
｢伊黒さん…何か、ありました…？｣
『何だと…どういう事だ』
｢なんか、部屋の空気がいつもより重くて…押しつぶされそうです…｣
『いつもより…？』
伊黒さんの眉が訝しげに寄せられる
『いつもより、とはどういう事だ』
あ、余計なこと言ったな
顔を上げて伊黒さんを見ると
ものすごく機嫌が悪い
｢いや、あ、えっと…伊黒さんの部屋って…なんていうか暗いというか空気が重いというか、…すみません…｣
とりあえず謝っておこう
本当のことを言ったんだけど
伊黒さんにとっては触れられたくない部分だったかもしれない
『……お前に言われるとはな…』
怒られるかと思ったけど
伊黒さんは一言呟いただけで
それ以上何も言わなかった
何も言わずに私に近づいて
グイッと襟首を掴んで
私の顔を覗き込んだ
左右で色の違う綺麗な目が
間近に迫って
突然のことに心臓がドキリと跳ねた
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Nami - 錆兎いたらどんな感じかな…吸血鬼錆兎書く人少なくない？ (2023年3月18日 11時) (
レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 蜜璃ちゃん怖いわしのぶさんで面白いしろ (2022年12月6日 9時) (レス) @page42 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - レミーさん» レミーさん、コメントありがとうございます(*^^*)しのぶさんは現在書いてますがなかなか難しいです(^_^;) (2021年12月30日 17時) (レス) id: f77cc758d6 (このIDを非表示/違反報告)
レミー - しのぶさんの場合はどんな感じかな？ (2021年12月30日 7時) (レス) id: 50a6d14902 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - minaさん» minaさん、コメントありがとうございます(^-^)蜜璃ちゃんファンの方には申し訳ない感じになりました…すみません(/Д`; (2021年12月2日 9時) (レス) id: f77cc758d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあな | 作成日時：2021年7月19日 21時
