岩柱が吸血鬼?!�� ページ15
欲しい？
何を？
誰が？
『私は視覚が無い分、嗅覚や聴覚が鋭い…Aの匂いが私を狂わせる。Aが欲しくて堪らないのだ』
悲鳴嶼さんの唇が
首筋に触れる
チュ…チュ…と僅かに音をたてながら
だんだんと移動して
｢…ひ、ぁ｣
突然耳が甘噛みされた
そのまま
耳朶を
口に含んだり
舌で舐めたり
ピチャ…クチュ…という水音が
悲鳴嶼さんの熱い吐息と共に
私の思考を奪っていく
『…甘いのは匂いだけではないのだな』
そう言って
悲鳴嶼さんは
私の首筋から顔を上げた
『その息遣いは無意識か』
｢…え？｣
息遣いって言われたって
そんなの分からない
分かりたくない
この時ばかりは
悲鳴嶼さんが盲目で良かったと思う
きっと恥ずかしい表情をしている私を
その瞳に
映さなくてすむから
『私はAが欲しい。Aは私を…欲しいと思うか』
私の両手を拘束したまま
悲鳴嶼さんが問う
欲しい…？
私が悲鳴嶼さんを
求めるかって…？
『A』
なんて答えたらいいか分からなくて
戸惑う私に
悲鳴嶼さんが優しく声をかける
その声から
殺気や暗さは
消えていた
『Aが私を求めぬなら無理強いはしない。Aが拒んだとしても、出ていけとは言わぬ』
そうか
どうして悲鳴嶼さんの声が優しくなったのか
悲鳴嶼さんは
私を解放しようとしている
はっきり答えない私が
悲鳴嶼さんを拒否していると思って
私が嫌だと言えるように
一歩引いてくれている
さっきまでの熱を無理矢理しまい込んで
今伝えなくちゃ
悲鳴嶼さんが離れてしまう
今度は本当に
心まで
行ってしまう
｢…………………です｣
『？…すまない、もう一度言ってくれ』
｢私も、悲鳴嶼さんが、欲しい…です｣
ピクッと
悲鳴嶼さんの手が跳ねる
｢さっき、玄弥と話していて気づきました。悲鳴嶼さんが冷たくて悲しかったのは、私がずっと悲鳴嶼さんを好きだから…頭を撫でてほしくて、手を繋いでほしくて、抱きしめてほしいと思ってました。だから｣
ずっと気づかない振りをして
心に閉じ込めていた想いを
一気に吐き出す
吐き出したら
止まらない
｢家族だから好きなんじゃなくて、悲鳴嶼さんだから好きなんです。これが恋とか愛とか分からないけどでも………っ！｣
私の手を拘束していた
悲鳴嶼さんの手が離れて
強く抱き締められる
そしてそのまま
抱き上げられた
顔の高さが
同じになって
額をコツン、と合わせる
『……………ありがとう』
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Nami - 錆兎いたらどんな感じかな…吸血鬼錆兎書く人少なくない？ (2023年3月18日 11時) (
レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 蜜璃ちゃん怖いわしのぶさんで面白いしろ (2022年12月6日 9時) (レス) @page42 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - レミーさん» レミーさん、コメントありがとうございます(*^^*)しのぶさんは現在書いてますがなかなか難しいです(^_^;) (2021年12月30日 17時) (レス) id: f77cc758d6 (このIDを非表示/違反報告)
レミー - しのぶさんの場合はどんな感じかな？ (2021年12月30日 7時) (レス) id: 50a6d14902 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - minaさん» minaさん、コメントありがとうございます(^-^)蜜璃ちゃんファンの方には申し訳ない感じになりました…すみません(/Д`; (2021年12月2日 9時) (レス) id: f77cc758d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあな | 作成日時：2021年7月19日 21時
