まだ言いたくない (ページ1)

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片想いページ1

君とは小さい頃からずっと一緒だ。

幼稚園から今に至るまで、本当にずっと。
でもそれは近いようで遠かった。君は離れていくだけだった。

私、AAは東中学校に通っている中学2年生だ。
美術部の副部長。後輩とはそれなりに仲がいいと思う。

生徒会役員ではあるが、特別明るい訳ではないし、どちらかというと友達は少ない。
パッと思いつくのは、幼稚園から一緒にいるの音乃と、小4から同じ学校に通っていた朝菜。
一緒に過ごした時間は違えど、2人とも大切な親友だ。
特に仲がいいのはこの2人だけれど、他の人と全く喋らない訳でもない。規模を縮小した"浅く広く"といった交友関係を築いている。そのおかげで、学校生活は充実してると思う。

そして、自分で言うのもなんだが、頭は良い。田舎の学校ということもあるだろうが、勉強は基本できる。
生徒会役員、頭脳明晰、いわゆる優等生というやつだ。

そんな私にも上手くいかないことがある。
恋だ。
相手は、幼稚園からの付き合いの凪。
ここ最近、ずっと凪のことを考えている。それがあまりに酷すぎて、自分でも悩むほどだ。
恥ずかしくて、音乃や朝菜にはとてもじゃないけど言えやしない！
それに、相談する必要のないことなのだ。

なぜなら、凪には、好きな人がいるから。

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小学3年生のとき、君は私に『好き』と言った。

今日の放課後、一緒に遊ぼうよと誘われたんだっけ。
君は自転車に乗って、私は自転車を持っていなくて走っていた。

それで、その時、一瞬黙った後

『なあ、A』

『どしたん、急にあらたまって』

そして君は、少し緊張したような、でもそんな素振りも直前まで見せずこう言ったんだ。

『好きやで、A』

『え？』

君は前を向いたまま一旦自転車を止めたけど、私も同じように止まったから、距離は縮まらないままだった。

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そういえば、こんなこともあったな。

あの頃は変にませてて、考え無しに「いいよ」と言った。
その後、2人で下校したり前よりも話すようになったりしたけど、所詮は恋愛のれの字も知らない小学生。
話し合いもせずに別れるのは自然な事だった。

そして時が経った今、君の好きな人は私では無くなった。