ヘタリアで短編！ (ページ29)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:10,401 hit

ヘタ鬼・戻すよ、今～サンマリノ～ページ29

聖「知ってます。」
ポツリ、と声が落とされた。
全員がいっせいに声の主がいるほうに向く。
聖「あなたが時を戻していたこと。」
イタリアが目を見開く。
聖「みんながしんでしまった事も。」
伊「え、どう…して。」
独「どういうことだ？」
俺は彼女をまっすぐと見る。
聖「言葉通りの意味ですよ。」
英「…お前まさか。」
彼女は懐から黒い革表紙の本を取り出す。
『tornare』
伊「…戻す？」
聖「私もあなたと同じ回数、この世界を繰り返した。」
日「…!！」
伊「嘘…でも今まで。」
聖「黙っててっていわれたんです。」
・
・
・
聖「ごめんね。私もう動けない。」
伊「い、いやだ。サン姉ちゃん!」
聖「本当に泣き虫ですね。どうか無事で、できるなら、私を忘れないで・・・。」
伊「あぁぁぁぁぁぁ！！」
・
・
・
聖「あれ…私。」
？「目が覚めたか。」
目の前に現れたのは小さな光。
？「お前に頼みがある。」
黒い本を渡される。
？「どうか、イタリアと一緒に時を戻してやってくれ。」
聖「これを使えば時を戻せるのですか?」
？「あいつを独りにさせたくないんだ。今の俺ではこれが精一杯。」
聖「あなたは一体…。」
？「俺の一番大切なあいつを、守ってくれ…。」
聖「まさかっ！…しｎ」
言い終わる前に周りは光で包まれた。
・
・
・
聖「というわけなんです。」
普「これでところどころにあったお前の変な発言も理解できたな。」
聖「嘘つくの下手なんです。」
伊「…そっか。」
露「イタリア君?」
中「どうしたあるか。」
伊「俺…ずっと独りじゃなかったんだね。」
聖「えぇ。独りじゃなかったんですよ。」
西「ようがんばったなぁ、親分が頭撫でたるわぁ。」
南伊「なにやってんだよ…。おい。」
力をくれたあなたに感謝を。